無宗教葬(自由葬)について
更新日: 2023/10/13
無宗教葬とは、宗教者を呼んだり特定の宗旨宗派の儀式や作法を取り入れたりしない葬儀のことです。一般的な葬儀とは、宗旨宗派によって決められた流れがあり、それに沿って執り行われます。
無宗教葬では、決まった儀式や作法がない分、故人やご家族の好みに合わせた自由な葬儀を行えるでしょう。しかし、実際には無宗教葬に馴染みがなく、どのように行えばいいのかがわからないという方も多いはずです。そこで、無宗教葬の流れや費用、注意点について解説します。
無宗教葬(自由葬)とは
無宗教葬とは、別名「自由葬」とも呼ばれる葬儀のスタイルです。一般的な葬儀では、何らかの宗旨宗派に教えをもとに故人を供養します。このため、葬儀には宗教者を呼び、宗教的な儀式を参列者が行うという流れが一般的です。
一方の無宗教葬は、故人やご家族の趣向や生き様が反映された葬儀になります。故人が好きだった音楽をかけたり思い出の映像を流したりと、自由なスタイルで故人とお別れします。
無宗教葬(自由葬)の流れについて
無宗教葬では、宗教的な儀式がないため、自由なスタイルで故人とお別れできます。僧侶の読経の代わりに黙祷で故人を偲び、焼香の代わりに献花をささげることが多い傾向にあります。あくまで一例として次のような流れを紹介します。
- 開会の辞
- 黙祷
- 故人の経歴や趣味などの紹介
- 献花
- お別れの言葉
- 弔電の紹介
- 閉式の辞
中には生演奏で好きな曲を聞かせてあげる献曲や、思い出の映像を制作し、会場で流すメモリアル映像の上映などもあります。
無宗教葬(自由葬)にかかる費用について
無宗教葬にかかる費用は、葬儀会場の規模や参列者の人数、祭壇、演出にかかる費用によって、大きく変わってきます。このため、無宗教葬のほうが一般の葬儀より費用を抑えられるとは、一概にはいえないでしょう。
ただし、無宗教葬では宗教者を呼ばないため、その分の費用はかかりません。具体的には、宗教者へのお布施、お車代、戒名料などの費用は抑えられます。
無宗教葬(自由葬)のメリット
無宗教葬(自由葬)のメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 故人らしさを演出でき、故人やご家族の意思を反映させやすい
- 自由度が高く、オリジナルの式次第ができる
- 宗教者を呼ばないため、その分の費用負担を抑えられる
無宗教葬では宗教による決まった儀式がないため、より故人の生前の人生を振り返れるような葬儀になります。故人やご家族の希望を反映させやすいでしょう。また、葬儀の費用のなかで、宗教者に支払う金額はかなり大きな割合を占めます。この費用がない分、葬儀全体の費用が安くなる傾向にあります。
無宗教葬(自由葬)のデメリット
無宗教葬(自由葬)にはデメリットもあります。次の4つが主なデメリットとなっています。無宗教葬を検討する場合には、デメリットも理解したうえで決めましょう。
- 親族間の理解が必要
- 葬儀社の提案力に左右される
- 菩提寺があると納骨ができなくなる
とくに高齢の方にとっては、無宗教葬は馴染みがない葬儀のスタイルです。参列される親族のなかには、無宗教葬に違和感や抵抗がある方もいるでしょう。また、宗教的な儀式がないことで、葬儀の内容が薄くなる可能性もあります。無宗教葬に慣れていて、オリジナルの演出や式次第を提案してくれる葬儀社を選びたいですね。
また、菩提寺がある場合には、無宗教葬を執り行うと納骨できなくなるケースもあります。事前に菩提寺の了承を得てから葬儀の形を決めましょう。
無宗教葬(自由葬)の注意点
無宗教葬(自由葬)は、基本的には菩提寺がある場合にはできない葬儀のスタイルです。菩提寺を持つ方は、菩提寺の僧侶に葬儀に来ていただくのが一般的だからです。
また、宗教的な儀式がないと、内容の薄い葬儀になりがちです。また、希望している演出があっても、葬儀会場によってはできないというケースもあります。たとえば、故人が生前に楽器の生演奏を葬儀でしてほしいと希望していても、すべての会場で対応できるわけではありません。このため、無宗教葬に慣れていてオリジナルの演出に対応できる葬儀社を選ぶようにしましょう。
まとめ
無宗教の葬儀は宗教による決まった儀式がないため、生前の人生を振り返りやすい葬儀になります。
自由な反面、無宗教葬になじみがない方にとっては違和感や抵抗感がある方もいるでしょう。その場合は葬儀社に相談し、希望がどのような形で叶えられるのかをよく確認しておきましょう。
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