出棺から火葬までの流れ
更新日: 2023/10/16
葬儀・告別式を終えて故人と最後のお別れを行った後は、遺体を火葬場まで送り出す「出棺」と、遺体を焼却し残った骨を葬る「火葬」の儀式があります。
出棺時や火葬には、地域ごとの風習や宗教宗派による決まりごとなどがあるため、覚えておくべき流れやマナーなどがあります。
そこで、ここでは一般的な仏葬での出棺から火葬までの流れをお伝えしていきます。出棺や火葬場に立ち会う際の儀礼や心得を知って、葬儀に役立ててみてください。

出棺の流れ
出棺は故人の顔や姿を見ることができる最後の場。葬儀・告別式を締めくくるセレモニーでもあります。
出棺に先立ち、遺族や親族による遺体との最後の別れの儀があります。一般参列者など火葬場に同行しない方々にとっては、故人と最後の対面になります。
棺に花や副葬品を入れる
祭壇から棺が運び出され、故人との最後の対面の時間になります。
まず、遺族や親族によって遺体の周りに生花を飾る「別れ花(花入れ)」を行います。この儀式は宗教宗派に関係なく行われます。生花を飾る順番は、喪主から順番に故人と近しい人からになります。
この時に、生花だけでなく故人が生前愛用していたもの(副葬品)をいれることも可能です。
棺のふたを閉じる
すべて収め終わったら、棺のふたを閉じ合掌をします。地域や信仰している宗教によっては、別れ花の儀式の後に「釘打ちの儀式」と言って、棺のふたに釘をうつ風習があります。
釘打ちの儀式には、無事に浄土へたどり着くように願いを込める意味があります。
喪主が挨拶をする
霊柩車に運び込む前に、喪主が挨拶を行います。挨拶の内容としては、以下のようなものを取り入れると良いでしょう。
- 自分と故人との関係
- 会葬のお礼
- 故人の簡単な履歴や死亡の経緯など
- 故人が生前お世話になったことへの感謝の思い
- これからの遺族への支援のお願い
挨拶は簡潔かつ自分の言葉で行うことが望ましいとされています。心配な方は、あらかじめ紙に書いておいたものを読むことも可能です。
喪主が挨拶を終えたら、遺族は参列者に深く一礼をします。
棺を霊柩車に運ぶ
棺は重量があるため、男性の遺族や親族、葬儀社スタッフなどが行います。霊柩車に乗せる時も降ろす時も、どちらも必ず足側が先に来るようにします。
これは、故人が家に帰ってこないようにするという意味があります。
出棺の時は、祭壇に飾られている位牌と遺影も一緒に運びます。この時、喪主が位牌を持ち、喪主の次に故人とつながりが深い親族が遺影を持ちます。
火葬の流れ
日本では、亡くなった方のほとんどが火葬されます。
葬儀に参列した全ての人が火葬場へ行くわけではありません。火葬場へは一般的に遺族と親族が向かいますが、故人と特に親しかった友人も同行することがあります。
火葬場へ移動する
火葬場への移動は車で行います。基本的には、位牌を持った喪主が霊柩車に乗って、遺影を持った親族と僧侶がハイヤーに乗ります。
それ以外の人は、葬儀社が用意したマイクロバスや自家用車などで火葬場へ向かうことが多いようです。
火葬場へは読経をするため、僧侶も同行します。誰がどの車で移動するのか、事前に決めておくとスムーズです。
火葬炉の前で最後のお別れをする
火葬場に到着後、火葬炉の前に棺を置いたら「納めの式」が行われます。
納めの式は、故人と遺族の最終的な別れの儀式。僧侶が読経を行い、棺を火葬炉へ入れます。着火されると焼香台が出てくるので、位牌と遺影を火葬炉の前に飾り、僧侶、喪主、家族の順にお焼香をしていきます。
火葬が終わるまでは、1〜2時間程度。案内があるまで控室で待機しています。
火葬が終わったら骨上げを行う
火葬が終わったら、お骨を骨壷に収める儀式「骨上げ」を行います。
再び火葬炉の前に集まり、炉の中から引き出された骨と骨灰を竹の箸で拾い上げて骨壺に納めていきます。
骨上げは故人と縁の深い順番で、二人一組になって行われます。二つの箸で一つの骨を拾い上げ、壷に納めます。
地域によって納め方に違いがありますが、一般的には下半身の骨から上半身に向けて順に納めていきます。最後に喪主が喉仏の骨を骨壷に納めて終わりになります。
骨壺・埋葬許可書を受け取る
骨上げを終えると、火葬場の係員が埋葬許可証と遺骨を納めた骨壺を喪主に手渡してくれます。
埋葬許可証とは、火葬した遺骨をお墓に納骨するときに必要な書類で、火葬場の認印が押されています。
基本的には骨壺は喪主が持ち、他の遺族が位牌や遺影を胸に抱えます。その後、お清めを行って精進落としの会場などに向かいます。
出棺は故人のお顔を見ながらお話できる最後のタイミングです。思い残しがないように自分の想いを伝えたいものですね。