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葬儀費用の仕組みについて

初めて身内の葬儀を執り行うときに気になるのが葬儀費用ですが、葬儀費用の相場を事前に知っておくと安心です。さらには何にどれだけかかっているのかの詳細を葬儀社ごとに確認するとさらに安心です。

葬儀費用を表す画像

葬儀の費用相場はどれくらい?

葬儀費用として、150~200万円ほど支払ったという声をよく聞きます。実際に経済産業省の特定サービス産業動態統計調査を見てみると、2021年に執り行われた葬儀費用の平均金額は約113万円でした。2019年の同じ調査では、平均金額が約134万円だったので、コロナ禍で葬儀の規模が縮小した影響があるのかもしれません。
※参照:調査の結果|特定サービス産業動態統計調査|経済産業省 (meti.go.jp)

しかし、経済産業省が出している金額は全国の平均なので、実際の葬儀費用には地域差があります。一般的に、100万円を超える金額が必要になることを知っておくとよいでしょう。

葬儀費用の内訳、仕組みについて

葬儀費用が想像以上に高くなる理由として、葬儀費用の仕組みの複雑さがあります。葬儀費用の内訳を事前に知っておくことで、葬儀を申し込む際に、ある程度の金額を把握することができるでしょう。

葬儀費用一式とは?

よく葬儀社のパンフレットを見ると「葬儀費用一式〇〇万円」などと記載されています。この葬儀費用一式とは、葬儀を執り行うために必要な最低限のものを一式揃えたときの金額のこと。つまり、葬儀における基本料金と考えるとよいでしょう。

しかし、必ずしも基本料金だけで葬儀が執り行えるわけではありません。それぞれ下記のように、必要項目によってかかる費用が変動してくるためです。

人数による変動費

葬儀費用は、人数によって変動するものがあります。これは、通夜振る舞いや精進落としの飲食代や香典返しに必要な費用です。会食をしない葬儀では費用が発生しないので、基本的には葬儀費用一式には含まれません。また、参列者の多い葬儀ほど費用は高くなりますが、参列者が多いとお香典も増えます。このため、お香典で変動費をカバーできる可能性もあります。

寺院費用

葬儀費用一式に含まれない費用として、読経や戒名をしてくれた僧侶に渡すお布施や車代もあります。直接僧侶に渡すお金なので、葬儀社への支払いとは分けて考えるのが普通です。 お布施の金額は、寺院との関係性や宗旨宗派、戒名の位によって異なります。お布施の相場は20~50万円ともいわれているので、僧侶を葬儀に呼ぶとその分の費用はかかります。

葬儀の形式による違い

葬儀の形式によって、葬儀代の相場は異なります。地域や規模によって葬儀の費用は異なりますが、ここでは一般的な例をご紹介します。

一般葬

一般葬とは、昔から日本で執り行われている従来型の葬儀です。会社関係者や地域の方など、多くの参列者が集まる葬儀とイメージするとよいでしょう。一般葬では、お通夜と告別式の2日間葬儀が執り行われ、通夜振る舞いや精進落としといった会食も行います。 参列者の人数によって費用は変わりますが、約100~200万円ほどが相場となります。

家族葬

家族葬とは、ごく近しい身内だけで行う小規模な葬儀のことです。小規模な葬儀とはいっても、一般葬と葬儀の流れはほとんど同じで、お通夜と告別式の2日間にわたって執り行われます。 一般葬に比べて参列者が少ない分、費用は抑えられる傾向にあります。家族葬の相場は、約60~100万円となっています。

一日葬

一日葬とは、お通夜をせず葬儀・告別式だけを執り行う葬儀のことです。お通夜を行わない分、通夜振る舞いをする必要がありません。 参列者の人数にもよりますが、一日葬にかかる金額の相場は約50~100万円です。

直葬・火葬式

直葬・火葬式とは、お通夜や葬儀・告別式を執り行わず、火葬だけを行う葬送スタイルです。参列者はごく少数だけで、宗教的な儀式もほとんど行われないので、ほかの葬儀の形式に比べて費用を抑えることができます。ただ、もちろん出来ることも少なくなります。 直葬・火葬式の相場は、約20~50万円です。

葬儀費用を抑えるには

葬儀費用を支払えるか不安だという方は、葬儀費用を抑える工夫をしたり、役所へ申請をしたりするとよいでしょう。

葬祭扶助制度を利用

葬祭扶助制度は、故人や遺族が生活保護を受けている場合に使えるものです。市町村役場で申請すると、最低限の葬儀ができるように、自治体が費用を負担してくれます。 ただし、葬祭扶助制度で執り行える葬儀は、直葬・火葬式のみです。簡素でよいから、葬儀を執り行いたいという方におすすめします。

給付金の受給を利用

葬儀費用に充てられる給付金は、故人が加入していた健康保険に申請することでもらえます。国民健康保険に加入していた場合には、所在地の役所で手続きをすると、5~7万円程度の葬祭費を受け取れます。故人が会社員だった場合には、健康保険組合か会社の人事部に申請すると、埋葬料として5万円を受給可能です。 どちらの給付金も、葬儀が終わってから領収書などを持参して手続きをすることになります。葬儀の前にもらえる給付金ではないので、注意しましょう。

葬儀の形式を見直す

葬儀費用を抑えるために、葬儀の形式を見直すことも検討しましょう。葬儀費用を抑えたいなら、一日葬や直葬・火葬式を選択するとよいでしょう。しかし、一日葬や直葬は、故人とのお別れの時間が短くなってしまったり、親戚から反対されたりすることもあります。このため、故人やご家族のためにどのような葬儀にしたらよいのかをしっかりと考えて、不要なものを削っていくと、葬儀の費用も抑えられるでしょう。