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線香を絶やしてしまったらどうする?

お通夜の夜に、線香やろうそくを絶やさない風習があることを知っていますか。地域や信仰している宗教によっては、現在も故人を弔うという習慣で行われています。
しかし、時代と共に弔事のスタイルが変化し、近年は線香を灯し続ける期間も変わってきています。
ここでは、お通夜で線香を絶やしてはいけない理由や、お通夜の線香を灯し続ける期間、地域の風習によって行われている「寝ずの番」についてお伝えしていきます。

線香絶やしてしまった

お通夜で線香を絶やさないのはいつまで?

そもそも、線香の香りとろうそくの炎は、仏教の考え方であの世とこの世を結び、故人が迷わず極楽浄土へ行くための道しるべになると言われています。
そのため、霊の新たな行先を決めるための待機期間である四十九日までは、浄土の道しるべとして線香を絶やさないということが基本となっていました。
しかし、近年は火を付けたままの線香を見守ることが困難となり、式場での安全面の配慮などにより、告別式までを一区切りとして考えることが主流となっています。

線香を絶やしてしまった場合

線香を絶やしてしまったら、宗教宗派の作法に基づき、慌てずに再び線香に火をつけ直しましょう。
ただし、線香を絶やしてしまっても、成仏できなくなってしまったり、マナー違反となることはありません。地域や宗教のしきたりに従って無理のない範囲で行うようにしましょう。
特に、自宅で安置している場合などは、故人はもちろん、遺族も心穏やかに過ごせる時間なので、故人との最後の時間をゆっくりと過ごすことが大切です。

線香は絶対に絶やしてはいけないの?

線香を絶対に絶やしてはいけないという習わしがあっても、現代の生活スタイルではさまざまな理由があり、実行するのが困難な場合もあると思います。
地域や宗教によって考え方は変わりますが、難しい場合は無理に行う必要はありません。
火の元の安全面や遺族や親族の負担軽減を優先することが大事。最近では燃焼時間の長いお線香を使用したり、火を使わない電気ろうそくや電気線香などで代用して行うこともあるようです。

寝ずの番とは?誰がするの?

寝ずの番とは、通夜の晩に故人に寄り添って翌朝まで見守る風習です。
医療が今ほど発達していなかった時代に、遺体が息を吹き返すことがないかを確かめたりするために行われたのが始まりと言われています。
遺族や親族の代表者が一晩中付き添うため、故人とご遺族にとって大切な時間でもあります。

寝ずの番をするときの注意点

寝ずの番をする時は、火を取り扱うためいくつか気を付けなければならないことがあります。

  1. 近くに燃えやすいものを置かない
  2. 火を付けたままの状態になるので、万が一に備え燃えやすいものをおかないようにしましょう。

  3. 公共の場での服装マナーに配慮する
  4. 自宅以外の場所で寝ずの番を行う時は、リラックスしすぎた服装は避けるようにしましょう。

  5. 線香や電気のマナー
  6. 宗教や地域によってしきたりなどが異なるため、事前に確認をしてから行うようにしましょう。

寝ずの番は現在少なくなってきている

今も受け継がれている「寝ずの番」という慣習ですが、現在は自宅でお通夜を行うことが少なくなり、寝ずの番を行っている地域が減ってきています。
その背景としては、斎場での半通夜を行うことが主流となっていたり、遺族の心身的な負担の軽減などがあります。
特に、都市部の斎場では防犯の都合上、夜間は施錠しているところもあるため夜通し滞在できるところが少なく、寝ずの番を行うことが難しくなってきています。 お通夜全体の流れにや抑えておくべき基本事項などは、一般的なお通夜の進行に沿って時系列で解説しておりますのでご確認下さい。