お通夜の流れ
更新日: 2023/10/16
お通夜は古くは「夜伽(よとぎ)」と呼ばれており、私たち日本人がはるか昔から故人を偲ぶために執り行われてきました。
一昔前は夜通し故人に付きそい、ろうそくと線香の火を絶やさずに一晩過ごすことが習わしとなっていましたが、現在は臨終を迎えて葬儀と告別式の前夜に親族や故人と親交のあった友人などが集まり、2~3時間程度のお別れの儀式を行うのが主流となっています。
特に都心部では葬儀や告別式よりもお通夜に参列する方が多いため、お通夜に関する知識を身に付けておくと安心です。
お通夜の流れ
お通夜は、基本的に故人が亡くなった翌日以降に執り行われます。ここでは、お通夜を行う前にしておくべき準備などを交えながら、一般的な仏式のお通夜の流れとスムーズに進行するためのポイントを紹介していきます。
葬儀社と進行確認をする
斎場で行う場合は遺族に控室が用意されているので、着替えなどを済ませたら、お通夜を滞りなく行うために受付の段取りや供花・供物、席次、焼香の順序、礼状や返礼品の内容や数など、お通夜の進行について葬儀社と確認をしておきます。
お通夜の席時は、焼香台の位置や座る形状などによって変わるため、必ずチェックしておくようにしましょう。お通夜の進行や喪主の役割などで不明な点があるときは、このタイミングで聞いておきましょう。
受付開始
大体、お通夜が始まる1時間〜30分前に受付がスタートするため、受付を担当する人は所定の場所で30分前には準備をしておきます。通夜式の受付は香典を扱うため、信頼できる親族や友人に依頼するようにしましょう。
葬儀社によっては受付も請け負ってくれる場合もあるので、確認しておくと良いでしょう。
喪主や遺族は僧侶を出迎える必要があるので、通夜が開始する10〜15分前までには着席しますが、それまでの間は参列者の方々への挨拶に対応します。
遺族・親族着席/僧侶入場
一般的に祭壇に向かって右側が親族席となり、前列より故人に近い方から着席していきます。
遺族や親族が着席し、弔問客の案内があります。弔問客で特別な方が参列する場合は、受付で名前を記帳した際に分かるので事前に葬儀社の担当者に伝え、席を確保しておくようにしましょう。
開式の5分ほど前になったら僧侶が入場し、定刻になるとお通夜が始まります。進行役は主に葬儀社の担当者が行うので、喪主は段取りなどを頭に入れておく程度で構いません。
読経・焼香
読経の時間は僧侶の意向や宗派の作法によって異なりますが、目安としては30〜40分程度。その間に遺族や親族、参列者が焼香を行います。
焼香の順序は喪主から始まり、故人と繋がりが深い人から順番に行います。遺族と親族が焼香を終えたら、参列者が行っていきます。
参列者が焼香する際にお辞儀をされたら、遺族や親族は目礼であいさつをします。
葬儀の形式や規模によっては、回し焼香を行うこともあります。読経が終わると、僧侶から仏教の教義を説明する法話があります。
僧侶退場
遺族と親族、参列者の焼香が終わり、法話が済むと僧侶が退場します。入場の際に起立で迎えた場合は、起立で見送ります。基本的には葬儀を進行している司会者から案内があるので、その指示に従います。
お通夜の終了する時刻は参列者の数によって前後しますが、大体お通夜が開始してから1時間前後が一般的です。
通夜終了後は通夜振る舞いの席に遺族や親族が着きます。通夜振る舞いが行われない場合は、閉式の段階でお通夜が終了となります。
通夜振る舞い・通夜終了
僧侶が退場した後に、喪主による挨拶が行われます。挨拶が終わるとお通夜の閉式となります。
参列者は焼香もしくは通夜が終わったら別室に案内され、飲食が振る舞われます。これを「通夜振る舞い」といって、故人の供養としてわずかなものでも召し上がっていただくという意味があり、参列者に対して感謝の気持ちを表す席になります。
通夜振る舞いを行う場合は僧侶にも同席をお願いし、遺族や親族が接待を行います。