菩提寺が遠方の場合の葬儀依頼について

そもそも、菩提寺とはご先祖様のお墓があるお寺のことで、昔からお付き合いのあるお寺のこと。菩提寺の判断にもよりますが、菩提寺がある場合は基本的に葬儀はそのお寺の住職や僧侶がお勤めを行います。ここでは、喪主側が勝手な判断をしてしまうことで菩提寺に対して非礼とならないために、菩提寺が遠方にある場合の正しい葬儀の段取りや菩提寺に対するマナーについて紹介しています。

菩提寺が遠方の場合

菩提寺が遠かったり県外にあると、僧侶に遠くまで来てもらうことを申し訳なく感じてしまう喪主が多く、懸念事項として挙げられることがありますが、地元を離れて暮らす方が多い今どきの葬儀ではよくある話。特に、葬儀後に菩提寺のお墓に納骨を行う場合は、菩提寺がどんなに遠方の場合でも必ず事前に連絡を入れておくようにしましょう。

どうせ遠方だし、今は付き合いが無いからと言って連絡を怠ってしまうと、お墓への納骨を断られたり、戒名を改めなければならなかったり後々トラブルに発展してしまうケースもあるので要注意。連絡することによってお寺の方も近いうちにそういった事態になることが分かるだけでなく、葬儀に関する話になる場合もあるので、いざという時のために連絡しておくことをおすすめします。

菩提寺に連絡する際の注意点はこちらにまとめてあります。

勤めにくる場合

菩提寺の住職や僧侶が勤めにくる時は、喪主側はいくつか準備しておくことがあります。そのため、まずは電話で事前の打ち合わせを行っておきましょう。戒名の件やどのようにして来られるか、葬儀形式によっては宿泊先の手配を行う必要もあるため、宿泊施設等を用意しておいた方がいいのかも一緒に確認しておくと安心です。

そして、お車代の用意も忘れずに。車で来られる場合は往復のガソリン代と高速道路代、電車や新幹線、飛行機で来られる場合は各交通機関の交通費を目安に考え、喪主側の心遣いとして一般的な相場よりも高めの交通費をお包みするようにしましょう。

来られない場合

菩提寺の住職が高齢のため来ることが困難な場合や、1人しかおらず都合が合わない時など、遠方まで勤めに来られないことがあります。そうした場合は、菩提寺側が近くにある他のお寺の住職や僧侶を紹介してくれたりするので確認しておきましょう。

菩提寺が直接勤めに来ることが難しく、代わりのお寺を紹介してもらうこともできない場合は、最終的に葬儀社に相談しましょう。葬儀社では、菩提寺がない人のために提携しているお寺などがあるので紹介してもらえます。

葬儀社によっては、菩提寺の宗派に応じて適したお寺を紹介しているところもあります。菩提寺に了承を得ていれば、菩提寺に対して非礼になることはありません。

戒名は菩提寺が用意して、読経は菩提寺とは別のお寺様

菩提寺と付き合いのあるお寺や、葬儀社で手配してくれるお寺でも同じ宗派であれば特に指定がない場合もありますが、一般的に菩提寺が来られない場合は戒菩提寺が戒名をつけ、お勤めしてくれるお寺が戒名を位牌に記してくれます。

ここで気を付けなくてはいけないのが、お経を読んでいいただいたことに対するお礼としてお渡しするお布施と戒名を授かるための戒名料が別ということ。葬儀のお布施はお勤めしたお寺に対して行い、戒名料は菩提寺へ納めるため、それぞれ別々に用意しておくようにしましょう。

俗名のまま葬儀を行って納骨時に戒名授与

戒名とは、檀家になっているお寺から死後にもらう名前のこと。菩提寺が遠方で葬儀に来られない場合は、生前名乗っていた本名である俗名のまま葬儀社などから紹介されたお寺で葬儀のお勤めをしてもらうことは可能ですが、49日法要などの際に戒名を授かることになります。

この戒名で注意しておきたいのが、納骨するお寺の住職に戒名を付けてもらわなければならないこと。菩提寺の納骨堂やお墓に納骨したい場合は必ず菩提寺からの戒名が必要となるため、他のお寺で戒名を授からないようにしましょう。