死に化粧とは

「死に化粧」とは、化粧を施したり髪の毛を整えたりすること。闘病生活や事故による外傷によって、見た目が変わっているご遺体もありますが、死に化粧を施せばご遺体を生前の元気だった姿に近づけられます。
自分たちの手で死に化粧を施してあげたいと考えるご遺族もいますが、死に化粧には資格が必要なのでしょうか。また、死に化粧を施すときは、どのような注意点があるのでしょう。
ここでは、死に化粧の意味や施すタイミング、自分で行なう際の注意点についてまとめました。

死に化粧

死に化粧とは

死に化粧とは、ご遺体がきれいに見えるように、化粧を施したり髪の毛や爪を整えたりすることです。故人が男性の場合は、ひげを整えるのも含みます。ここでは、死に化粧のタイミングや意味、誰が死に化粧をしてあげるのかについてご紹介します。

死に化粧はいつする?

死に化粧は、ご臨終から納棺までの間に施します。一般的には、死後硬直が始まる2〜3時間以内に行なわれることが多いです。
看護師のエンゼルケアに、死に化粧が含まれているときは、ご臨終の直後に死に化粧を実施。もし介護施設で亡くなったときは、介護士によって死に化粧を施すときもあるようです。
自宅で亡くなったときは、葬儀会社のスタッフや、納棺について知識・経験がある「納棺師」が、死に化粧を施すケースも増えています。葬儀会社のスタッフや納棺師に依頼するときの、死に化粧のタイミングは、相手の予定次第です。

死に化粧はどんな意味がある?

死に化粧には、残されたご遺族にとって、ご悔いの残らないお別れへと導く意味を持ちます。 ご遺体は、事故や闘病によって傷ができていたり、血液や体液で汚れていたりします。また、長期間の闘病によって痩せてしまい、元気だった頃の姿とはかけ離れているときもあるかもしれません。 生前の元気だった姿に近い状態でお別れすることによって、痛々しさを軽減できて安らかにお別れしたいご遺族の気持ちに応えられます。 自分たちの手でご遺体をきれいにしてあげられれば、ご遺族の気持ちも浮かばれるかもしれませんよ。

死に化粧は誰がする?資格は必要?

死に化粧を施すのに資格は必要ありませんが、一般的には看護師や葬儀会社のスタッフが行ないます。病院で亡くなり、ご遺体のチューブやドレーン(体内から排液を促す管)、点滴など医療器具の取り外しが必要なケースがあるでしょう。医療的な措置を要するときは、お亡くなりになった直後に看護師がエンゼルケアと死に化粧を行ないます。
自宅で亡くなったときは、死に化粧を葬儀会社に依頼する方法もあります。一般的に、死に化粧は葬儀プランには含まれておらず、オプションとして依頼が必要です。

死に化粧のやり方・手順

ご遺族が死に化粧を行なうときは、故人からの細菌やウィルスの感染を防ぐために化粧道具は使い捨てにします。同じような色に見えても微妙に色味が違うため、いつもの雰囲気に近づけるためには化粧道具は故人が使っていたものを使用するといいですね。 まずは、ご臨終の直後にオイルなどを使って、肌の保湿をしておきましょう。さらに、死に化粧を始める前に乳液で保湿すると、化粧のりが良くなります。その後は、故人が行なっていたようにベースメイクから始めていきますが、ファンデーションはパウダータイプよりもリキッドタイプを使うと伸びが良いです。また、口紅はピンク系の方が血色良く見えます。

死に化粧の費用目安

死に化粧は、病院で看護師に依頼するときと、葬儀会社に依頼するときの2パターン考えられます。看護師に依頼するときの費用は、3,000〜15,000円程度。死に化粧は必要最低限のみ施す病院や、手厚く施してくれる病院など、仕上がりは病院によって違います。 葬儀会社に依頼したときは、5〜6万円程度。ご遺体の状態によっても費用が変わるので、依頼したい葬儀会社に問い合わせると良いでしょう。 ご遺族が死に化粧をするときは、費用はかかりません。しかし、化粧道具を用意するなど、物品の準備が必要です。

死に化粧を自分で行う際の注意点

基本的に、ご遺族のみで死に化粧を施すのではなく、看護師や葬儀会社のスタッフと一緒に死に化粧を行ないます。
ご遺体に触れるときは、細菌やウィルスの感染に気を付けましょう。なぜなら、約65%のご遺体に細菌やウィルスが潜んでいると言われているからです。
看護師や葬儀会社のスタッフがご遺体のケアを始める前に、自分たちが死に化粧を施したい旨を伝えましょう。しかし、実際に死に化粧を施していると、想像以上に難しい時があるかもしれません。ご遺体を傷つけないためにも、プロに任せるのもひとつの方法ですよ。