通夜振舞いとは?喪主のための心得とマナー解説
更新日: 2023/06/02
通夜や葬儀、火葬中、初七日法要などで遺族から振る舞われる食事には、さまざまな種類があります。 ここでは、お通夜の後に行われる通夜振る舞いについて徹底調査。喪主として会食を準備する際に気を付けることや参列者に対するマナー、費用などについて紹介します。

通夜振る舞いとは
通夜振る舞いとは、通夜に参列してくださった弔問客の方に料理やお酒を振る舞ってもてなす儀式。弔問客への感謝や僧侶に対する慰労の気持ちを表す場であることと、故人を偲んで供養をするという2つの意味があります。
通夜振る舞いの内容は、信仰している宗教や地域性によって異なります。通夜の弔問客の人数は予想がしにくく、近年は焼香後に短時間で帰宅する参列者が多いため、料理を提供する場合は大勢で気軽に食べられるオードブルや軽食が好まれています。
通夜振る舞いと精進落としの違い
両方とも故人を偲ぶ会食の場をさしているため、混同しやすい会食の席ですが、決定的な違いは席を設けるタイミングです。
通夜振る舞いの席は通夜の後に設けられ、精進落としの席は火葬が終わった葬儀の後や初七日法要の後に行われます。
また、地域ごとに慣習はありますが、通夜振る舞いでは参列者全員に声を掛けますが、精進落としの場合は火葬場まで同行した人が対象。親族や僧侶、故人と生前親しかった人など限られた人だけが参加する会食になります。
通夜振る舞いの流れ
通夜振る舞いには明確な決まりごとはありませんが、通夜を終えてからの一般的な会食の流れを紹介します。
- 通夜振る舞いの案内
通夜の終了後、喪主の挨拶やアナウンスにより通夜振る舞いの席に案内します。 - 開式の挨拶
弔問客が席に着き飲み物が行き渡ったら、喪主が挨拶を行い献杯を行います。夜後の僧侶へのお礼は、通夜振る舞い前に行うのが通例です。 - 会食
遺族は弔問客にお酌をなどをしながら、参列してくれたことへの感謝の気持ちを伝えながら手短に挨拶回りを行います。 - 閉式の挨拶
1時間程度を目安にお開きにする旨を伝えます。この時に告別式についての案内も行います。
1時間程度を目安にお開きにする旨を伝えます。この時に告別式についての案内も行います。
通夜振る舞いの挨拶
通夜振る舞いでは、開始時と閉会時に遺族の代表者が簡単な挨拶をします。
開始時の挨拶では、遺族を代表して弔問に対する感謝の言葉や、故人の思い出話などしながら食事をして過ごして欲しいことなどを伝えます。
閉会時の挨拶では、通夜振る舞いへの参加のお礼と翌日の葬儀・告別式の場所や開始時間などを伝えるようにしましょう。
挨拶は手短に行うのがマナー。必ずしも喪主が挨拶をするという決まりはないので、他の親族が行っても構いません。
通夜振る舞いのマナー
通夜振る舞いは宗教儀礼ではないため、特別な作法はありません。
ただし、生前の思い出話などをして故人を偲び、遺族たちの心を慰める場にふさわしい行動をとることが大切です。通夜振る舞いも葬儀の一部と捉え、故人と関係のない話ばかりするのは慎しむようにしましょう。
また、通夜振る舞いの席は途中で退席することは失礼にはあたりません。そのため、お誘いを受けたらできるだけ辞退はせず、短時間でも参加するのが儀礼となります。退出する際は、遺族に一言声をかけるようにしましょう。
通夜振る舞いにかかる費用
通夜振る舞いの費用は、提供する飲食物の内容や参列者の人数によって変わります。通夜振る舞いの場合は、参加人数を事前に把握することができないため、人数を予測して準備しなければなりません。
一般的な相場としては、1人当たり大体2,000~3,000円程度。目安としては、お通夜に参列する5割程の人数分の料理等を用意しておくと良いでしょう。
僧侶は通夜振る舞いの席を辞退することが多いため、「お膳料」として5,000~10,000円程度を包んで用意しておくと安心です。
通夜振る舞いをしないこともある
通夜振る舞いは行われることが多い傾向にありますが、地域によっては習慣がないところもあります。また、近年はコロナ禍の影響もあり、行わないケースも増えてきているため、必ずしも行わなければならない儀式ではありません。
通夜振る舞いを行わない場合は、参列者に粗供養品をお渡しするのが主流となっています。粗供養品は後に残らない折詰のお弁当や菓子折り、お茶や海苔などが定番。好きな物と交換しやすい商品券やカタログギフトなどをお渡しすることもあります。