遺品整理の進め方
更新日: 2023/10/16
遺品整理とは、生前個人が使用していた物などを遺族で分配したり処分する目的もありますが、遺族の心の整理をする役割もあります。
遺産整理を行う際はどのようなことに気を付ければよいのか、進め方についてまとめてみました。スケジュールの決め方や必要なものと不要なものの仕分け方、不用品の処分のやり方など、遺品整理で役立つ情報をお伝えします。
正しい遺品整理のやり方を知って、限られた時間の中で効率よく進めていきましょう。

遺品整理とは何か
遺品整理とは、故人が亡くなった後に残された遺品や遺留品を整理し、適切に処分することです。
遺族や遺産相続人のトラブルを防止する効果もあります。遺族が自分で行うのが大変な場合はプロの遺品整理業者はに頼むと、よりスムーズに整理や処分を行うことができます。
遺品整理の流れ・進め方
貴重品類は勝手な判断で処分や譲渡などをしてしまうと、後々トラブルに発展してしまうこともあります。
そのため、遺品整理を行う時には遺言書などをチェックしながら、親族間でしっかりと話し合って進めて行くことがポイントです。
スケジュールを決める
遺品整理では、やるべきことが多岐に渡ります。スムーズに進めて行くためには、最初にスケジュールを決めておきます。
状況によっては、全てを片付けるまでに時間を要することもあるので、大まかな流れや担当などを決めておくと良いでしょう。
遺言書やエンディングノートの確認
遺品整理を行う前には、必ず遺言書やエンディングノートの有無について確認します。
もし、封のしてある遺言書を見つけた場合は、勝手に開封してはいけません。偽造などを防ぐために家庭裁判所での検認が必要となるため、家庭裁判所に提出しましょう。
親族に遺品整理を行う旨を連絡
遺品整理は、親族全員が都合の合う日に行うのが理想ですが、難しい場合は相続権のある親族に遺品整理を行うことを連絡しておきましょう。
故人が生前に口約束で遺品の譲渡などを伝えているケースもあるため、トラブルを回避するためにも伝えておくと安心です。
遺品整理に必要なものを準備
業者に依頼する場合でも仕分け作業を行うため、円滑に遺品整理を進めて行くために必要なものを用意しておきましょう。
準備しておくと便利なもの
- 段ボール
- ゴミ袋
- テープ類(ガムテープ、ビニールテープ)
- 輪ゴム
- ロープ
- 筆記用具類(マジックやメモ帳など)
- ハサミやカッター
- 工具類(ドライバーやペンチなど)
- 軍手
- 掃除用品(雑巾や掃除機など)
遺品を仕分ける
遺品整理に立ち会えない親族などから遺品の捜索を依頼されている場合は、捨ててはいけない物を把握しておく必要があります。
仕分けする際は、相続品・形見として保存するもの・売却するもの・処分(寄贈)するものに分類しておくと、片付けるときにスムーズです。
遺品を親族へ分配する
仕分けた遺品は相続対象となる親族や故人と親交のあった友人などで話し合いをしながら、分配していきます。
遺言書やエンディングノートに遺品の分配や処分について記載されている場合は、その通りに従って行うようにしましょう。
不用品処
遺品の中で寄贈できないものや売却が困難なものがある場合は、処分をしていきます。
不用品が大量にある時は、不用品の処理や遺品整理を専門に行っている業者などに依頼するとまとめて買い取ってくれたり、処分してくれるのでおすすめです。
遺品整理を行う時期
遺品整理の行う時期に明確な決まりはありません。一般的には、親族が再び集まる四十九日法要の前後や公共機関の手続きを終えた時、気持ちの整理がついたときに行われるケースが多いようです。
期日が無いと言っても、故人が亡くなった日から10ヶ月以内に相続税の申告をしないと延滞税が発生してしまうため、早めにスケジュールを組んでおくことが大切。10ヶ月以内に整理が終わらせられるよに段取りを組んでおくようにしましょう。
自分で遺品整理を進めるのにかかる費用
住んでいる環境や遺品の物量によって変わりますが、遺品整理は親族で協力して取り組めば、自分たちだけで行うことも可能です。
自分たちで行う場合は、片付けに必要な備品を購入したりする程度で、高額な費用が発生することはありません。ただし、相続や寄贈できないものなどを処分する際には、さまざまな費用がかかります。
また、遠方から遺品整理に来る場合には、交通費や滞在時にかかる費用なども見込んでおく必要があります。
遺品整理業者に依頼したときにかかる費用
業者に依頼する際の費用は、家の広さや遺品の物量によって大きく変わります。一般的な費用の目安は以下のようになります。
1K・1R | 40,000~80,000円 |
---|---|
1LDK | 90,000~150,000円 |
2LDK | 140,000~230,000円 |
3LDK | 190,000円~300,000円 |
長期間ゴミが放置されていたり、特殊清掃などが必要な場合は、更に追加費用が発生します。業者ごとに価格帯やサービス内容が異なるので、依頼する前にはいくつかの業者に見積もりを出してもらいましょう。
生前整理と遺品整理の違い
生前整理とは、自分が生きているうちに自分の持ち物を整理することで、生活環境を整えることや、自分の思い出を整理することが目的です。
一方、遺品整理は、故人が亡くなった後に残された遺品を整理し、適切に処分することで、遺族が心の整理をするためにも必要です。生前整理は自分で行うことができますが、遺品整理は遺族が行う場合が多く、プロの遺品整理業者に依頼することもできます。
デジタル遺品とは
デジタル遺品とは、故人が亡くなった後に残されたデジタル情報を指します。例えば、SNSやクラウドストレージ、メールアカウントなど、インターネット上に残されたデータがデジタル遺品です。 近年、遺族がアカウント情報を知らなかったり、ログインできないケースが発生しています。ご自身で解決できないPCやデジタル機器のトラブルはプロの業者に依頼することもできます。
相続放棄をする場合の遺品整理について
相続放棄をする場合の遺品整理には、適切な処分方法を選択することが重要です。例えば、買取業者に依頼して査定してもらい、買い取ってもらう方法や、寄付する方法があります。 また、処分するものが多い場合や、相続人間にトラブルが生じている場合は、遺品整理業者に依頼することもできます。業者選びの際には、業者の信頼性や実績、費用などを検討する必要があります。
生活保護の方の遺品整理について
生活保護を受給している場合、遺品整理についても手続きが必要です。遺品整理をするためには、まず市町村役場の担当者に相談し、遺品整理費用を支援してもらうことができます。 また、遺品が売却可能な価値がある場合は、売却することで収入が得られるため、収入に応じて生活保護費が減額されることがあります。