法事のマナー
更新日: 2023/10/13
法事は故人を偲ぶ大切な場となるため、施主も参列者も共に気を付けなければならないマナーや心構えがあります。 そこで、それぞれの立場において知っておくと役立つ法事の基礎知識を集めました。どのような点に注意すればいいのか、確認していきましょう。

法事を主催する側のマナー
施主として法事を取りまとめる場合は、僧侶や参列者に対して失礼が無いようにさまざまな配慮を行う必要があります。 故人を供養するために正しい知識やマナーを身に付けて、参列者に感謝の気持ちを示せるようにしておきましょう。
法事の案内状手配
法事の案内状は参列者の人数を把握したり、会食の準備を行うために必要になります。また、参列者側のスケジュール調整のためにも、可能な限り迅速に対応することが大切。目安としては、予定日の1ヶ月前には届くようにしましょう。
案内状には、誰の法事で何回忌なのか、日時や場所、法要後の会食の有無を記載し、返信用のはがきを同封して出欠の確認をします。小規模な法事や略式の場合は往復はがきやメール等で行うこともあります。
法事の会食手配
法事の際の会食は、故人を偲び思い出話をしながら美味しいお料理をいただくのが通例。ホテルや近隣の飲食店といったケースから、お寺の客間等でケータリングを手配するなど、遺族の意向に合わせて行われます。
法事での食事は、お祝い事や慶事を連想させる料理や食材を使用することができません。手配する際には、必ず法事で利用する旨を伝えるようにしましょう。
法事の返礼品手配
法事では参列者から香典やお供え物等をいただくため、施主側はそのお返しとしてお礼の品をお渡しするのが礼儀となっています。 お返しする品物の相場としては、香典やお供え物の半額くらいが目安。会食の費用と合わせて、半返し程度になる品物を準備しておくといいでしょう。 定番の品物としては、お茶やお菓子といった「消え物」です。近年は自由に選べるカタログギフトも人気となっています。
法事の導師手配とお布施準備
法事を行うことになったら、菩提寺の僧侶にお勤めを依頼するためスケジュールを確認します。法事の日程は、命日の当日もしくは前倒しで行うのが一般的。親族の予定が分かり次第、早めに連絡を行うようにしましょう。
また、法事後にお渡しするお布施も忘れずに。お経をあげていただいた謝礼としてお渡しするのがマナーとなっています。
法事に参列する側のマナー
亡くなって間もない法事に招かれた際は、できるだけ出席するのが礼儀。よほどの事情がない限りは参列するようにしましょう。 法事に参列する際に、特に気を付けておきたいポイントをまとめましたので、参列時の心得として参考にしてみてください。
服装
宗教的な儀式が少ない法事では、服装に関するルールが厳格に決められているわけではありません。しかし、案内状に服装に関する指示がなければ、一般的に一周忌までは喪服を着用します。 三回忌以降は、弔事の場に適した服装であればOK。葬儀とは異なり、ダークグレーや濃紺といった黒に近い色味のスーツやワンピースでも構いません。
平服でお越しください、と案内があった場合
平服=普段着ではないので要注意。法事の場での平服とは、礼服の一種である略喪服のことを指しています。
女性の場合はダークカラーのワンピースやパンツスーツ、男性の場合は黒や紺、グレーといった無地のダークスーツを着用します。
亡くなった人への哀悼の意を表するために、家族だけの法事であってもマナーを守った服装で参列するようにしましょう。
アクセサリー
法事の場でも、男女共にアクセサリーに配慮する必要があります。光沢のある物や華美なものは弔事ではタブーとされているため、できる限りシンプルなものを選ぶようにしましょう。 宝飾の少ない結婚指輪や真珠のネックレスは、葬儀と同じく身に付けていても問題はありません。また、法事の場合はオニキスも用いられています。
持ち物
参列者は香典やお供え物を持参して参列します。地域性や故人との関係性にもよりますが、両方用意する場合もあります。 そして、お焼香があるので故人の宗派に合わせた本式数珠も準備しておきましょう。数珠の貸し借りはマナー違反となるため、宗教宗派が分からない場合は、宗派を問わずに使用できる略式のお数珠を用意しておくと安心です。
香典
四十九日法要以降の香典袋の表書きには、宗教宗派によって「御仏前」や「御香料」、「御供物料」と薄墨で書きます。 法事で包む金額の目安としては、葬儀同様に相手との関係性や年齢、社会的な立場によって異なりますが、葬儀時の香典の半分程度。会食がある場合は、その分を考慮した金額を包んでおくようにしましょう。