お斎とは

お斎(おとき)とは、法要後に故人を弔うために行なわれる会食を指します。お斎には避けるべき食材や、守るべき席順があります。今回は、お斎の基礎知識、費用、席次、料理内容、お斎と精進落としの違いなどについてまとめました。

お斎について

お斎とは

お斎(おとき)とは、法要の後に行なわれる、故人を弔うための食事会のこと。葬儀のときに行なう精進落としも、お斎のひとつです。また、葬儀の朝に故人と一緒にとる食事や、出棺前に振舞う出立ちの膳をお斎とする地域もあります。

従来は、レストランや料亭で精進料理が振舞われていましたが、近年は精進料理以外にも懐石料理やお弁当が選ばれる傾向です。

お斎の費用

お斎の費用は、1人あたり3千〜1万円程度が相場です。お斎の会場によっても費用が違い、斎場や菩提寺で行なうときは3千〜8千円程度が相場。斎場や菩提寺でのお斎は費用が安く、レストランや料亭→ホテルの順で費用が高くなります。

一般的に、飲み物もお斎の費用に含まれていますが、会場によっては別途料金が必要な場合もあります。お斎のプランに含まれている内容を事前に確認しましょう。

お斎の席次

お斎では、僧侶の近くが良い席とされ、僧侶の隣に施主が座ります。施主の隣に年長者→親族以外の参列者→親族の順で着席します。

お斎に僧侶が参加されないときは、席順に特別な決まりはありません。飲み物を注ぐなど動きが多い人や、小さな子どもがいる親族は、出入り口の近くに座れば会場を出入りしても目立ちにくいでしょう。

お斎のマナー

お斎は年忌法要の後に行なわれるため、法要時に着用していた服のままで問題ありません。1周忌までの法要や弔い上げでは喪服を着用してお斎に参加しますが、夏場の法要では上着を脱ぎたくなるときもあるかもしれません。参列者は上着を脱ぐのに気を遣う可能性があるため、施主が最初に上着を脱いだり参列者に声をかけると良いです。

お斎の料理内容

お斎では、豆腐や天ぷらなどの精進料理が多かったですが、精進料理にこだわる必要はなくなってきています。しかし、お斎には避けるべき食材があり、肉や魚を使ったメイン料理、伊勢海老や鯛などのお祝いごとで使われる食材が当てはまります。殺生を連想させる肉や魚はメイン料理以外であれば使われるようになってきていますが、お祝いごとの食材は避けましょう。

お斎と精進落としの違い

「お斎」は年忌法要後に食べる食事であるのに対して、「精進落とし」は四十九日後の最初の食事を指します。本来、四十九日までの期間は、殺生を連想させる肉や魚は食べないようにしていました。肉や魚を食べられるようになる四十九日の後に食べるのが精進落としです。しかし、四十九日までの期間である忌中(きちゅう)に、肉や魚を食べない文化は薄れてきています。