法要の種類

大切な人が逝去した後は、故人の魂を供養するために遺族が集まり定期的に法要が執り行われます。 故人の命日を基準に節目ごとにいくつもの法要があるため、ここではそれぞれの法要の特徴や執り行うタイミングについて詳しく紹介します。

法要の種類

法要とは

法要とは亡くなった故人の冥福を祈り、供養をする仏教の儀式のことです。僧侶の読経や参列者による焼香を通して、故人を偲びます。 宗教や宗派によって考え方に違いはありますが、法要は仏教において故人が極楽浄土に往生するために行われるものと考えられています。 また、法要後に行う会食も含めた一連の供養は「法事」と呼ばれています。

法要の種類

法要は、命日から日数単位で数えて行われる「忌日法要」と毎月命日と同じ日に行われ、月命日とも呼ばれている「月忌法要」、命日から年数単位で数えて行われる「年忌法要」の3つがあります。 ここでは、開催する日数によって名称が異なる忌日法要と年忌法要について紹介します。

忌日法要

初七日(7日目)

故人が亡くなった日から7日目に行われる法要で(しょなのか・しょなぬか)と読みます。近年は親族の負担 を軽減するため、葬儀の当日に執り行われることが増えており、葬儀に参列した家族や親族で営まれます。初七日が過ぎると忌明けとなり、日常生活に戻ることができます。

二七日(14日目)

二七日(ふたなのか)は故人の命日から14日目に行われる法要で、遺族のみで営まれます。僧侶の読経や焼香は省略されるのが一般的。故人が生前に行った盗みの罪について裁かれると言われており、参列者は故人の罪が軽くなるよう祈ります。

三七日(21日目)

三七日(みなのか)は、故人の命日から21日目に行われる法要になります。二七日同様、親族のみで執り行われ、場合によっては三七日法要を省略するケースもあります。三七日目を迎えることで、故人の死が徐々に現実として受け入れられるようになります。

四七日(28日目)

四七日(よなぬか・ししちにち)は、故人の命日から28日目に行われる法要のことを言います。四七日は、普賢菩薩によって故人の言葉の罪について裁きが下されると言われています。三七日法要と同じく親族だけで行われ、家庭によっては省略するところもあります。

五七日(35日目)

五七日(いつなのか)は、故人の命日から35日目に行われる法要です。宗派や地域によっては五七日法要を忌明けとする場合があり、忌明け法要を執り行うところもあります。五七日で、地蔵菩薩によって故人の生前の全ての罪について裁きが下されると言われています。また、遺族などが供養している姿を見ることができると言われています。

六七日(42日目)

六七日(むなのか・むなぬか)は、故人の命日から42日目に行われる法要です。これまでの法要と同様 に近親者が集まって執り行われます。六七日で故人の過去の罪について弥勒菩薩によって裁きが行われ、生まれ変わった世界で正しく修行を積むようにと教え諭されると言われています。

七七日(49日目)・満中陰

七七日(しちしちにち・なななぬか)は故人の命日から49日目に行われる法要で、満中陰や四十九日法要とも呼ばれています。一般的にこの日を忌明けとする地域が多いです。七七日はこれまでの裁きの総決算となるため、僧侶や親族だけでなく故人と生前親しかった人も集まり、一緒に冥福を祈ります。

百カ日(100日目)

百カ日(ひゃっかにち)は、故人の命日から100日目に行われる法要です。卒哭忌(そっこくき)とも呼ばれています。四十九日で忌明けとする家庭が多いためあまり知られてはいませんが、遺族が故人を亡くした悲しみから解放される日とされています。

年忌法要

一周忌(いっしゅうき)満1年目

年忌法要の中で特に大切にされている法要で、故人が亡くなってから1年が経過した日に執り行われます。 本来であれば、命日の当日に行うのが理想ですが、 現在は参列者が集まりやすい週末に行われる傾向にあります。日取りは、命日よりも前倒しで執り行うのが慣わしとなっています。

三回忌(さんかいき)満2年目

故人が逝去してから2年後の命日に執り行う法要になります。近年、三回忌を節目に以降の法要を執り行わない家庭が増えているため、一周忌同様に重要な意味を持っています。 そのため、多くの参列者を募って一周忌法要と同様の規模で営まれるケースが多いです。

七回忌(ななかいき)満6年目

故人が逝去してから6年目の命日に執り行われます。七回忌あたりの法要からは規模が縮小され、僧侶と親族のみで行うのが通例となっています。 七という数字は「六道」という仏教の輪廻思想において、死後に赴くべき六つの世界を超えたことを意味する重要な数字。お釈迦様が生まれたときに7歩あるいたことなども由来の一つとして伝えられています。

十三回忌(じゅうさんかいき)満12年目

故人が逝去してから12年目を経過したときに執り行われる法要です。仏教において、仏様の中心的な存在である「大日如来」と故人が出会う重要な日という教えがあります。 現在は七回忌と同じく、僧侶と親族のみで故人を供養するケースがほとんど。命日の近い他のご先祖様と一緒に法要を執り行う場合もあります。

十七回忌(じゅうななかいき)満16年目

故人が逝去してから16年目に執り行われる法要です。法要自体を省略したり、命日が近く同じ年に法要がある場合は併修したりする場合もあります。ただし、併修を行えるのはその年内に執り行う法要のみ。命日の月が大幅に離れている法要を併修することは好ましくないので、注意しましょう。

二十三回忌(にじゅうさんかいき)満22年目

故人が逝去してから22年目に執り行われる法要になります。親族のみで行うことが一般的で、十七回忌のように省略したり併修することもあります。宗派によっては、二十三回忌法要そのものを執り行わないところもあります。

二十七回忌(にじゅうななかいき)満26年目

故人が逝去してから26年目に執り行われる法要で、宗派によっては行わない場合や代わりに二十五回忌を行うこともあります。 亡くなってから時間が経過している法要ということもあり、参列する方も高齢になっているので、執り行う場合は簡略化されることが多いです。

三十三回忌(さんじゅうさんかいき)満32年目

故人が逝去してから32年目に執り行われる法要のことで、三十三回忌は13の御仏による導きが終了するタイミングと言われています。 そのため、多くの宗派で三十三回忌を迎えると故人が極楽浄土に行って祖先になると考えられています。 地域の慣例や宗派によって考え方は異なりますが、一般的には三十三回忌で最後の年忌法要とし、弔い上げをすることが大半です。

三十七回忌(さんじゅうななかいき)満36年目

故人が逝去してから36年目に執り行われる法要になり、規模の大小にかかわらず、三十七回忌自体を執り行わないという方針の家庭も多いです。 三十三回忌で弔い上げをしている家庭では、三十七回忌以降の年忌法要は行われません。

四十三回忌(しじゅうさんかいき)満42年目

故人が逝去してから42年目に執り行われる法要で、三十七回忌と同じく法要を省略する家庭が多いです。故人の命日から42年経過しているので、生前の故人について知る人もほとんどいないことも理由として考えられます。

四十七回忌(しじゅうななかいき)満46年目

故人が逝去してから46年目に執り行われる法要のことを言います。三十七回忌と四十三回忌と同様で、故人の命日からかなり年月が経っているので法要自体は省略されることが多いです。

五十回忌(ごじゅうかいき)満49年目

故人が逝去してから49年目に執り行われる法要です。仏教において、故人が生前にどのような罪を犯していたとしても、五十回忌をもってそれらが許されて極楽浄土へ旅立つことができると言われています。 そのため、三十三回忌弔い上げをしていない場合は、五十回忌で弔い上げが行われます。五十回忌で弔い上げをしなかった場合は百回忌、百五十回と続き、五十年ごとに執り行われるようになります。

百回忌(ひゃくかいき)満99年目

故人が逝去してから99年目に執り行われる法要になります。多くの宗派では三十三回忌や五十回忌で弔い上げを行っているため、百回忌を執り行わない場合もあります。 仏教において非常に大きな功績を残した偉人は、700年、800年という年忌法要によって現在も多くの方々から弔われています。