生前お世話になった方へのお礼
更新日: 2023/10/13
お通夜や葬儀では参列者が多くいらっしゃるので、個別にお礼を伝えることがなかなかできません。そのため、故人が特別お世話になっていた方に、葬儀後にお礼を伝えたいというケースもあるでしょう。また、葬儀を手伝ってくれた方にもお礼を伝えたいですね。そこで、葬儀後にお礼を伝える手段やお礼状のマナーをご紹介します。
生前お世話になった方は?
故人が生前お世話になっていた方とは、勤務先の方やご近所の方、プライベートで仲のよかった方など、さまざまなケースが考えられます。
葬儀に参列いただいたけれどなかなかお礼を言えなかったり、家族だけの葬儀を執り行ったためお会いする機会がなかったりするかもしれません。また、生前お世話になった方のなかには、葬儀を手伝ってくれたり弔辞を読んでくれたりした方もいるでしょう。
生前お世話になった方にはお礼状を
生前故人がお世話になった方には、葬儀後にお礼状を送るのがおすすめです。お礼状の文面を悩む方のために、例文をご紹介します。
謹啓
先般
夫〇〇の葬儀に際しましては 遠方よりお運びくださり
また過分なご配慮を賜り誠に恐縮しております
夫は生前より大変お世話になりましたこと
亡き夫に代わりまして厚く御礼申し上げます
夫を通じまして
あなた様のことは常々お親しい方と存じておりました
夫亡きあともその思いは変わりません
何卒 御身を大切になさいまして
末永くご健勝にお過ごしなさいますよう
心よりお祈りいたしております
今後ともよろしくご指導ご鞭撻くださいますよう
心よりお願い申し上げます
敬白
お礼状の注意点
葬儀のあとに送るお礼状には、一般の手紙とは異なる特別なマナーがあります。書く前に知っておき、お礼状にふさわしい文章を書きましょう。
句読点は使わない
一般的な手紙の文章とは異なり、葬儀のお礼状では句読点を使わないのが通例です。これは「幸せが途切れないように」という意味合いで、結婚や出産などの慶事の手紙には句読点を付けないことに由来します。
厳密にいうと、葬儀などの弔事は途切れてもよいものなので、句読点を付けても問題ありません。しかし、葬儀のお礼状や喪中はがきなども慶事の手紙に合わせて、句読点を付けないことが通例化されています。
忌み言葉、重ね言葉を避ける
葬儀のあとに出すお礼状には、忌み言葉や重ね言葉を避けるようにしましょう。忌み言葉とは、死や不幸を連想させる言葉のことです。たとえば、死・死亡・苦しいなどが挙げられます。
一方、重ね言葉とは、ますます・重ね重ね・くれぐれもといったものです。重ね言葉は不幸が繰り返したり重なったりするため、縁起の悪い言葉とされています。
葬儀中の喪主挨拶や弔辞でも、忌み言葉や重ね言葉は避ける必要があります。とくに重ね言葉のなかには、普段の会話で使われることが多い言葉も含まれているので、注意が必要です。