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相続放棄した場合の遺品整理について知っておきたいこと

相続放棄とは、相続人が相続財産を受け取らないことを選択する手続きのことです。相続放棄をすることで、相続人は相続財産に関する責任や債務を負わなくて済みます。しかし、相続放棄後には遺品整理が必要になります。本記事では、相続放棄後の遺品整理の注意点や遺品処分方法について解説します。

相続放棄

相続放棄をしたら遺品整理はどうするべき?

相続放棄後も遺品整理は必要

相続放棄をしたといっても、一定の管理義務は残ります。このため、たとえば故人が賃貸住宅に住んでいたとすれば、遺品整理をして部屋を片付けて退去の手続きをしなければなりません。

遺品整理をする際には注意点がある

相続放棄をしたからといって、自由に遺品整理をできるわけではありません。財産的な価値があるものを自分のものにしてしまうと、相続をしたものと扱われるからです。しかし、形見分け程度の財産であれば、処分したり持ち出したりしてもよいでしょう。

相続放棄後の遺品整理の注意点

相続放棄後も相続人の意向を尊重する

相続放棄は法定相続人で申し合わせて行うのではなく、個人の判断で申告できます。このため相続人が複数いる場合には、相続放棄していない相続人が故人の遺品に関する管理義務を負うことになります。遺品整理についても、相続放棄した人は相続した人の意向に従うようにしましょう。

遺品の処分について相続人と協議する

遺品整理で出た遺品の処分や形見分けについても、相続人が相談して決める必要があります。あくまでも、相続放棄をした人よりも相続した人の意見を尊重するものだと考えましょう。

遺品整理にかかる費用の負担について協議する

故人の居室が著しく汚れていたりものが多かったりする場合、遺品整理や原状回復を業者に依頼しなければならないケースもあるでしょう。遺品整理にかかる費用の負担については、家族でしっかりと協議することが大切です。

相続放棄後の遺品の処分方法

相続放棄後の遺品の処分方法

基本的には、相続放棄したら遺品整理をしないことが大切です。下手に触ると、相続放棄しなかったとみなされることがあるからです。また、遺品の処分についても、基本的にはしないほうがよいでしょう。
家族が一人しかおらず遺品整理をしなければならないときは、そういった事情に精通している業者を弁護士や行政機関に紹介してもらうとよいでしょう。

遺品の買取・寄付・廃棄などを選択する際のポイント

相続放棄をしたあとに、遺品の買取や寄付、廃棄などをするのはリスクがあります。基本的には故人の遺産を相続する人が遺品の処遇は決めるものだと心得ましょう。相続人が自分しかおらず、相続放棄をしたケースでは、弁護士や行政機関に相談の上、遺品の処遇を決めることをおすすめします。

お墓や家具など、大きなものの処分方法について

相続放棄した人が故人の家具や家電を処分するのは避けたほうが無難です。しかし、相続放棄した人でも祭祀承継者になることができるため、墓じまいをすることも可能です。ただし、墓じまいをする際は、自分で費用を負担する必要があります。

遺品整理をすると相続放棄できない?

遺品整理をすると、原則的には相続放棄できないと考えましょう。実際には、金銭的な価値のないものを処分したり、賃貸住宅の退去のために原状回復をしたりするための片付けは可能だといわれています。しかし、素人には金銭的な価値のあるものとそうでないものの区別をつけるのが難しく、誤った対応をすることで、単純相続という扱いになってしまいます。このため、相続放棄をするときは、その後の遺品整理のことも含めて、弁護士や行政機関に相談しましょう。