49日法要とは

49日法要とは、故人が亡くなってから49日目に行なわれる、仏教の儀式のこと。49日法要が終わるまでは、避けるべき行動があります。
故人が無宗教だったりご遺族の負担を軽減したりするために、49日法要を行なわない場合もあるかもしれません。また、故人が49日を望まない場合もあるでしょう。49日法要を行なわないと、問題になるのでしょうか。
ここでは、49日法要の基礎知識や流れ、菩提寺の僧侶にお包みする金額やマナーについてご紹介します。

49日法要

49日法要の意味

49日(しじゅうくにち)とは、故人が亡くなった日を1日目と数えたときの49日目のこと。七七日(しちしちにち・なななぬか)と呼ばれるときもあります。仏教では、ご家族が亡くなると喪に服しますが、49日を境に忌明け(きあけ・いみあけ)を迎えて喪に服す期間が終了します。
故人が極楽浄土に向かえるように祈る意味を持つ、「49日法要」。仏教では、極楽浄土に行けるかどうかは、49日の最終審判で決まると考えられているため、ご遺族と親族が集まり故人のために祈ります。

49日法要をしないとどうなる?

49日法要は、絶対しなければいけないという決まりはありません。故人やご遺族の強い意向によって、49日法要を行なわない可能性もあるでしょう。しかし、ほとんどの人が49日法要を行います。家族葬で小規模な葬儀の場合や、無宗教の葬儀を行なった場合でも49日法要を行なう人が多いです。そのため、法要を行なわないのは、少数派と言えます。
ご遺族の負担が大きいため49日法要をしたくないときは、家族だけで行なうなど規模を小さくすると負担が軽減できますよ。
49日法要の有無は自分で決めず、菩提寺や葬儀会社に相談してからにしましょう。

49日法要はいくら包むの?

49日法要のお布施は、葬儀のときのお布施の1割程度と言われています。そのため、宗派にもよりますが、3〜5万円程度が相場です。
しかし、お布施以外にも、読経料やお心づけ、お車代や会食のときの御膳料が必要となります。複数の僧侶が法要を担当したときは、お車代や会食のときの御膳料は、僧侶1人ずつにお渡しする点に注意が必要です。
49日法要では、お布施だけではなく、お供え物や会食費、返礼品の準備もします。49日法要を行なうにあたって出費がかさみますが、予算内で収まるか確認しましょう。

49日法要の準備

49日法要を行なうためには、場所の決定や、僧侶の手配などの準備が必要です。
49日法要の場所として、菩提寺や自宅が挙げられます。菩提寺では、法要に使う道具を借りられる利点があります。自宅で行なうときは、必要な道具を用意しなければいけませんが、会場の手配が不要です。自宅での49日法要は、小規模で行なうときに向いていますよ。もし、参列してほしい人が多いときは、ホテルやセレモニーホールも選択肢のひとつです。
49日法要の僧侶の手配は、相手の予定もあるため、できるだけ早く連絡しましょう。同時に、参列者への案内状送付の手配も進めます。

49日法要の流れ

49日法要は、まず参列者が会場に集まり、僧侶の到着を待ちます。僧侶が到着されたら、開始のあいさつの後に読経と焼香を実施。読経法話を終えて僧侶が退場されたら、喪主のあいさつを行ない会食にうつります。最後に再度喪主からのあいさつを済ませて、参列者に引き出物をお渡しすれば49日法要の終了です。
一般的には、49日法要と納骨を同時に行なうことが多いです。そのため、お墓や仏壇、本位牌の準備を、事前に済ませておくといいでしょう。

49日法要のマナー

49日法要では、喪主は格式の高い正喪服を着用しましょう。正喪服とは、男性はモーニングスーツ、女性はブラックフォーマルのこと。男女ともに和装でも問題なく、男性は羽織袴、女性は染め抜き五つ紋が入った黒い無地の着物を用意しましょう。
法要時には、喪主からのあいさつを法要の開始時と終了時に行ないます。参列していただいたことに対する、感謝を伝えるような内容にしましょう。人前で話すことに慣れていない人は、事前に考えてから49日法要を迎えると、当日に慌てずに済むのでおすすめです。

49日法要が明けるまでしてはいけないこと

49日法要(忌明け)が終わるまでは、お祝い事は避けるようにしましょう。49日が明けるまでの喪に服している期間を、「忌中(きちゅう)」と呼びます。故人を偲ぶ期間のため、神社へのお参りや結婚式への参加は避けるべきです。また、年賀状のやり取りも行ないません。さらに、引っ越しや旅行も行なわない方が良いとされています。
忌明けに対して柔軟に考える人も増えてきており、以前よりは厳格ではありません。しかし、トラブルを起こさないためにも、ご遺族や親族と相談してから行動しましょう。