葬儀社の選定

多くのご家族が、葬儀社選びに悩まれます。葬儀社の種類や選び方のポイントを詳しく解説します。

葬儀社選びのポイントは?

葬儀社を選ぶときに重視すべきポイントは、ずばりご家族に寄り添う対応をしてくれるかです。具体的な基準や要素を解説します。

葬儀費用が明瞭か

葬儀プランの金額だけを見て、「高い」「安い」と判断しがちですが、確認すべきは「何にいらく」掛かっているかです。

  • プランのなかに含まれているもの
  • 追加料金が必要なもの

など、しっかり明細を見ておきましょう。

対応が丁寧か

問い合わせしたときの対応が丁寧な葬儀社は、葬儀の手配の際も柔軟な対応が期待できます。反対に、話を聞かずに契約を急かすような葬儀社では、ご家族の希望する葬儀を執り行えないことが十分に想像できてしまいます。問い合わせの段階で、ご家族の意向をしっかり聞き入れてくれる葬儀社を選びましょう。

保有資格があるか

葬儀関連の資格を保有していることも、優良な葬儀社選びのポイントです。葬儀関連の資格というと、「葬祭ディレクター」や「JECIA(日本儀礼文化調査協会)」の格付け評価があります。葬祭ディレクターは、倫理観とホスピタリティを持ち合わせた葬祭従事者が保有する資格です。JECIAの格付け評価は、葬儀社などの事業者に対して行われます。

気持ちを反映した提案があるか

葬儀社のスタッフがご家族に寄り添えている場合、ご家族の気持ちを反映した提案ができるはずです。たとえば、写真を趣味にしている方であれば、葬儀の会場に撮影した写真をたくさん飾るといった提案ができるかもしれません。

葬儀社選びの前に考えておくこと

葬儀社を選ぶ前に、大まかに葬儀の希望を家族のなかで整理しておくことも大切です。

規模、人数について

参列者の人数で、葬儀の規模は変わります。葬儀にお声がけする範囲をあらかじめ考えておきましょう。

宗旨や宗派について

菩提寺がある場合には、事前に連絡し、葬儀でお勤めしていただけるかを確認しましょう。遠方でも葬儀に来られることがあるので、必ず連絡してください。

菩提寺がない場合には、どういった宗旨宗派で葬儀を執り行うかを決めましょう。最近では、無宗教葬を選択する方も増えています。

エリアについて

想定参列者が集まりやすい場所など、葬儀を行うエリアも考えましょう。住民登録地によって、利用できる火葬場の条件が変わる場合があります。エリアでお悩みの場合、何を優先して決めていきべきか整理されてはいかがでしょうか。

どこで葬儀社を選ぶ?

実際に葬儀社を選ぶときに、どのような手段で葬儀社を探せるのかについて解説します。

病院からの紹介で葬儀社を選ぶ

病院で亡くなった場合、病院と提携している葬儀社を紹介されることもあります。病院から紹介されたからといって、断っても失礼ではありませんので、そこは心配いりません。

知人からの紹介で葬儀社を選ぶ

知人からの紹介で葬儀社を決める方も一定数いらっしゃいます。知人が実際に利用して満足度が高かったポイントを聞いて、自分たちの希望と合っているかを確認しましょう。

地元紙・タウンページなどで葬儀社を選ぶ

地元紙やタウンページなどで葬儀社を選ぶことも可能です。詳細が掲載されていないことも多いので、まずは問い合わせをしてみましょう。

ネット検索により葬儀社を選ぶ

最近では、インターネットの検索で葬儀社を探す方が増えています。インターネットを使うと、簡単にたくさんの葬儀社を比較検討可能です。よさそうなところがあれば、複数の葬儀社に見積もりの依頼をして検討しましょう。

葬儀社の種類とは?

一口に葬儀社といっても、運営母体や形式によって主に3種類に分けられます。

専門葬儀社

専門葬儀社は葬儀を専門に取り扱っている業者で、地域密着型の小さなところから、全国展開している大規模なところまでさまざまな会社があります。斎場を保有しているかどうか、会員制度があるかどうかなど、各社の特徴も多岐にわたってきます。

冠婚葬祭互助会

冠婚葬祭互助会とは、結婚式や葬儀に関するお金を毎月一定額前払いすることで、割引料金で冠婚葬祭のサービスを受けられるという会員制事業です。葬儀社を決める前に、故人が冠婚葬祭互助会に入っているかどうかを確認する必要があります。

JAや生協の組合関係

JAや生協では、組合員向けのサービスとして冠婚葬祭事業を行っています。他の葬儀社と比較すると葬儀費用が安い傾向にあり、使用できる葬儀会場も多いのが特徴です。

葬儀社を選ぶタイミングはいつ?

生前で葬儀社を選ぶタイミング

不謹慎に思われるかもしれませんが、ご本人がご存命のうちに葬儀社を選ぶことで、今ある不安を少しは和らげることができます。ご家族の希望が叶えられ、かつ万が一の不安を解消してくれる葬儀社を検討しておくとよいでしょう。ご逝去後だと、冷静に判断することができなくなる可能性があり、最期のお別れに悔いを残してしまう可能性があるからです。

ご逝去後の葬儀社を選ぶタイミング

ご逝去後のタイミングは、病院や警察署の霊安室で一時安置されているときです。ご遺体を搬送する葬儀社を決めるタイミングで、一緒にお通夜や葬儀をすべて任せる葬儀社を決めると、搬送料金を余計に払う必要がなくなるかもしれません。

病院や警察署で紹介された葬儀社に決めなくても問題はありません。

葬儀社を選ぶうえで避けたい失敗事例

葬儀社を選ぶときに、よくありがちな失敗事例があります。次の失敗例を参考に、慎重に葬儀社を決めましょう。

見積と請求書の内容が違う

見積もりの明細をよくチェックせずに契約した場合、当初の見積もりと請求書の金額に大きな差が生じる事態が起こり得ます。たとえば、プランに含まれていると思っていた項目が実はオプションだったり、参列者が想定以上に増えて追加請求が発生したりといったケースがあります。

見積もり時は、何がどんな場合に追加費用になりうるのか、詳細を説明してくれる葬儀社を選べば、このトラブルは防ぐことができます。。

高額なオプションを押し付けられた

高額なオプションを押し付けられるというのも、よく耳にする話です。たとえば、葬儀社のスタッフに「これでは故人様がかわいそうですよ」と言われ、価値を感じていないものを豪華にした結果、高額になるケースがよくあります。

あなたにとって必要か、意味のあるものと思えるものかどうかの軸を持ち、最期のお別れに悔いを残さないようにしましょう。ある程度葬儀にかける金額の上限を決めておくとよいでしょう。

病院や警察に急かされて決めてしまった

病院や警察署で急かされて、提携している葬儀社に決めてしまった方も多くいらっしゃいます。検討せずに決めると、自分の希望にそぐわないケースもあるので、しっかり複数の葬儀社と比較検討するようにしましょう。

家族の要望を聞いてもらえない

家族の要望を聞いてもらえなかったという声もよく聞きます。たとえば、遠方から親族が集まるため斎場に宿泊したかったのに、宿泊できない施設に決まってしまったなどという失敗談です。

葬儀社に要望をしっかり伝えるため、もし可能であれば、葬儀社との打ち合わせは家族と相談しながら行うのがよいでしょう。