知っておきたい!納骨堂のトラブルは?
更新日: 2023/10/13
お墓よりも費用が抑えられて、管理維持が楽な納骨堂。ご遺骨の供養先として人気の施設です。しかし、納骨堂のトラブルが起き、納骨できなくなったという話もよく聞きます。そこで、後悔しないための、納骨堂の選び方をご紹介します。
トラブルなく納骨堂を選ぶには…?
早く故人を供養したいからといって、焦って納骨堂を決めてしまうのは危険です。トラブルなく納骨堂を選ぶためには、ゆっくりと時間をかけて複数の納骨堂を比較検討することが大切。納骨堂を選ぶときのポイントや契約までの流れをご紹介します。
資料請求をして比較検討をする
納骨堂を選ぶとき、まずは複数の納骨堂の資料請求をして比較検討をしましょう。パンフレットを見比べてみると、施設によって違いがわかるはずです。
たとえば、使用料や個別安置期間は、納骨堂によって大きく異なります。また、納骨堂の種類や個別安置スペースに入ることのできる骨壺の数などもしっかり比較しましょう。
気に入った納骨堂があれば見学へいこう!
資料請求したパンフレットを見比べて、気になった納骨堂があればぜひ見学に行きましょう。実際に行ってみると、納骨堂までのアクセスや管理状態など、パンフレットを読んだだけではわからない、さまざまなことが見えてくるはずです。可能であれば、管理している寺院や霊園の担当者に話を聞いてみるのもよいでしょう。
希望の納骨堂があれば契約へ
複数の納骨堂を比較検討した結果、希望の納骨堂に空きがあれば契約に進みましょう。
納骨堂の契約をする際は、実印や印鑑登録証明書、戸籍謄本などが必要です。市町村役場で必要な書類を手に入れ、手付金も準備します。大きな買い物になるので、ぜひしっかりと用意をしておきましょう。
納骨堂のトラブル事例
お墓参りがしやすく、人気の高い納骨堂ですが、実はさまざまなトラブルが報告されています。これから納骨堂を検討している方に知ってほしいトラブルは以下の通りです。
- 最終的に合祀されることを知らなかった
- お墓参りのルールが厳しい
- 地震などの災害で納骨堂が崩壊して、お骨の行方がわからなくなった
- 納骨堂の運営母体が破産し、改葬しなければならなくなった
- 納骨堂建設予定地で建設反対運動が起き、計画通りに納骨できなくなった
個別安置期間を過ぎると合祀されることやお墓参りのルールは、契約前に規約を確認しておけばわかるはずです。しかし、契約後に災害が起きたり経営母体が破産したりすることは、誰も予想できないことでしょう。
そうはいっても、納骨堂の見学や説明会に参加したり、経営母体の寺院や霊園の調査をしたりすれば、経営状態の危うさが見えてくる可能性があります。たとえば、2010年に福井県あわら市の寺院が納骨堂の経営不振によって破綻しました。このとき、寺院は5000基の納骨箱を設置したものの、契約者は60人程度だったそうです。実際に見学に行っていたら、空いている区画が多いことに気付き、契約する前に検討し直すことができたかもしれません。
納骨堂は従来の墓地とは異なり、外からどのような施設かわかりません。しかし、たくさんのご遺骨を安置する場所なので、嫌悪施設というイメージが強く、周辺住民から反対されることもあります。実際に2017年に大阪市で建設予定だったビル型の納骨堂は、付近の生活環境を著しく損なうということで、自治体の建設許可を取り消すように住民から提訴されました。全国的に同様のケースは起きる可能性があるため、大規模な納骨堂を契約する際は注意が必要です。
実際に納骨堂建設予定地に赴くと、横断幕やのぼりなどが立っていて、周辺住民からの反対運動が起きていることを認識できるかもしれません。納骨堂を検討する際は、トラブル防止のために遠方であっても見学に行きましょう。
そもそも納骨堂が人気な理由は?
納骨堂は、少子高齢化になった現代の日本社会にマッチした供養方法です。従来のお墓は屋外にあり、お墓参りのたびに草むしりや清掃に手間がかかります。しかし、墓守である後継者も高齢になると、お墓参りがかなりの負担になります。
また、近年日本では墓守がおらず、無縁墓となって放置されているお墓も増えています。納骨堂はお墓の手入れや管理の必要がなく、最終的には永代供養されるという安心感から、人気が高まっているのです。
悪い点ばかりではない!もちろんメリットもある!
納骨堂のメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 従来のお墓に比べると、費用がリーズナブル
- 永代供養されるのが基本なので、後継者がいなくても安心
- 交通アクセスがよく施設はバリアフリー設計なので、高齢になってもお墓参りしやすい
納骨堂を運営する寺院の破綻や周辺住民からの反対運動などといったニュースを見聞きすると、納骨堂の悪い点が目立ちますが、やはり納骨堂のメリットはたくさんあります。