永代供養墓と納骨堂の違いは?
更新日: 2023/10/13
永代供養墓と納骨堂は、どちらも遺族や親族が遺骨の管理等を行わない供養方法ですが、それぞれ異なる特徴があります。
そこで、どのような特徴の違いがあるのか、費用相場やメリット・デメリットなどを詳しくまとめました。
永代供養墓と納骨堂の違いは?
一般的に永代供養墓は、墓地の管理者や宗教法人が永代に渡って遺骨を管理し供養してもらうお墓になります。
主に屋外型の墓地を指していることが多く、遺骨は地下や半地下の大きな納骨室などに納められます。
一方で納骨堂は、遺骨を埋没せずに骨壺のまま安置する施設で、屋内の納骨室に遺骨を収蔵します。基本的に建物の中に設置された棚や個別のロッカーの中などに遺骨を納めて保管します。
永代供養や納骨堂にはさまざまなバリエーションがあるので、自分の希望に合うものを見つけることが大切です。
永代供養墓にはどんな種類がある?
永代供養には、大きく分けて4つのタイプがあります。
- 合祀墓
- 納骨堂
- 樹木葬
- 永代供養付き個別墓
骨壺から焼骨を取り出し、他の人の遺骨と一緒に埋葬されるお墓です。
建物の中に、故人の遺骨を保管するための収蔵スペースを備えている施設になります。
屋外で遺骨を供養する方法で、墓石の代わりにシンボルとなる樹木を植えているお墓です。
お墓を承継できなくなった場合に、撤去費などの新たな費用をかけることなく永代供養墓に改葬可能なお墓になります。
納骨堂にはどんな種類がある?
納骨堂には、主に6つのタイプがあります。
- 仏壇式
- ロッカー式
- 自動搬送式
- 墓石型
- 位牌型
- 合祀型
遺骨を安置する仏壇が横並び上にいくつも配置されており、遺影やお花を飾ることもできます。
ロッカー状に並んだ棚(納骨壇)の中に遺骨を納めます。参拝時に納骨壇が開くものと、納骨壇の近くに参拝用のご本尊が祀られているものがあります。
ICカードやタッチパネルを操作すると、参拝スペースに自動で位牌や遺骨が運ばれてきます。都心部に多いタイプになります。
霊園にある一般墓のように、納骨堂内に墓石を置き遺骨を安置します。天候に左右されることなくお参りできるところが特徴です。
一般的には、お内仏の周りにシンボルとなる位牌が並べられます。遺骨は別の保管場所で安置されます。
合祀用のスペースが用意されており、他の人の遺骨と一緒に埋葬されます。
永代供養墓の費用相場は?
永代供養墓は、埋葬されるお墓の種類やタイプ、立地等によって価格帯に違いがあります。目安としては個人の場合が50万円程度、家族で利用する場合が100万円程度になります。
また、一般墓と同じように墓石を建てる個別墓は、永代供養料のほかに墓石代が必要になるケースがほとんど。そのため、デザインや石材、加工方法などの種類によっては150万円以上かかることもあります。
永代供養墓のタイプにこだわりがない場合は、目安となる価格よりも安価で済ませられるでしょう。
納骨堂の費用相場は?
納骨堂も永代供養墓と同じように、種類や立地、設備環境等によって金額が異なります。
目安としては、20~150万円程度。位牌型であれば10~20万円程度で納骨することが可能です。
他のタイプであっても、墓石のお墓を建てるより費用を抑えられる場合が多いようです。
また、納骨堂に収骨する人数や遺骨を個別に安置する期間によって、費用が変わってきます。1人用だと大体30~50万円ほどで、家族用だと80~150万円程度となっています。
永代供養墓のメリットデメリット
永代供養墓のメリット
- お墓の承継者がいなくてもいい
- 費用が安い
- 維持管理の手間が省ける
一定期間が経つと合祀されるため、後継者がいなくてもお墓の心配をする必要がありません。
一般的なお墓と違って、ほとんどのタイプで墓石代と墓石を建てる土地の使用料が不要となるため、出費が抑えられます。
供養や管理は寺院や霊園が行ってくれるため、遺族や親族がお墓の管理をしなくて済みます。
永代供養墓のデメリット
- 遺骨が合祀されてしまう
- お参りに制限が設けられている
永代供養墓では個別に安置・埋葬されていても、一定期間を過ぎると合祀されることが一般的です。そのため、後から故人の遺骨だけ取り出すことはできなくなります。
施設によって違いはありますが、定められた場所でお参りできなかったり、決められた時間しか参拝できないこともあります。
納骨堂のメリット・デメリット
納骨堂のメリット
- 安心のセキュリティ
- 交通アクセスが良好
- 屋内でゆっくりお参りできる
屋内で遺骨を管理しているので、管理体制も充実。機械式タイプであれば、専用のICカードなどによって個別に遺骨や位牌が管理されています。
最寄駅から徒歩圏内だったり、駐車場を完備しているところが多いため、利便性に優れた立地にあるところが多いです。
天候を気にせずにお参りできるところも魅力の一つ。真夏や真冬でも気軽に足を運ぶことができます。
納骨堂のデメリット
- 家族や親族の理解を得にくい
- 納骨できる遺骨の数に制限がある
宗教や地域の慣習などで供養や安置の方法に強いこだわりがあると、納骨堂で遺骨を供養することに難色を示すケースもあるようです。
納骨堂の場合は一般墓とは異なり、多くの施設で一人あたりの使用できるスペースが限られているため、預けられる遺骨に限度があります。
永代供養墓・納骨堂のどちらを選ぶかはあなた次第
永代供養墓や納骨堂には色々な種類やタイプがあるため、個々の特徴をしっかりと理解しておくことがポイント。
故人の意向を尊重しつつ、周囲と相談しながら故人と残された家族にとって適した供養方法を選定することがとても重要です。
予算やお参りのしやすさ、利便性などを考慮した上で、それぞれの良し悪しを総合的に判断しながら、納得のいくものを選んで欲しいと思います。