納骨堂の費用はどのくらいかかる?
更新日: 2023/10/13
納骨堂とは、ご遺骨を安置できる屋内の施設です。墓石が必要ない分従来のお墓よりも費用を抑えられ、風雨にさらされることがないので維持するのも簡単です。このため、納骨堂を選ぶ人が増えています。初めて納骨堂を検討する方向けに、特徴や注意点を解説します。

そもそも納骨堂とは
納骨堂とは、ご遺骨を安置するための施設のこと。建物内に納骨するスペースが並んでいて、個人や家族ごとに区画を使用するのが一般的です。納骨堂は屋内施設なので、風雨にさらされることがありません。一定の管理費用を支払うことで、供養や管理を寺院や霊園に任せられるのも魅力です。従来のお墓よりも管理維持やお参りが楽なので、納骨堂の人気は高まっています。
タイプ別の納骨堂費用
一口に納骨堂といっても、さまざまな種類があります。そして、納骨堂の種類によって費用も異なります。納骨堂として主流である、4つのタイプの特徴と費用は以下の通りです。
ロッカー型の納骨堂の費用
ロッカー型の納骨堂とは、ロッカーのように小さなスペースに一人分のご遺骨を収蔵できるものです。永代使用する方だけでなく、お墓が建立されるまでの一時的な安置スペースとして利用する人もいます。費用の相場は、約20万円からとなっています。
仏壇型の納骨堂の費用
仏壇型の納骨堂とは、縦長の区画に仏壇が置いてあり、その下にご遺骨を収蔵するスペースがあるものです。仏壇型は家族単位で使用するのが一般的で、納骨堂によっては収蔵できる骨壺の数は異なります。費用の相場は、家族単位で約100万円から、一人で使用する場合には約30万円となっています。
自動搬送型(マンション型)の納骨堂の費用
自動搬送型の納骨堂とは、都心部で増えているタイプです。普段は施設内の収蔵スペースに骨壺が安置されていますが、お参りの際は受付で渡されるICカードをかざすことで、自動でご遺族の前に骨壺が出てきます。一般の納骨堂よりも費用は高額で、相場は約50~100万円となっています。
位牌型の納骨堂の費用
位牌型の納骨堂とは、ご遺骨は納骨堂の収蔵スペースに安置され、位牌が共同の供養スペースに並んでいるタイプです。位牌型では、ご遺骨は骨壺のまま安置されているケースと骨壺なしで合祀されているケースがあります。費用はほかの納骨堂に比べると安価で、約10~20万円となっています。
納骨堂の費用内訳
納骨堂にかかる費用は、いくつかの内訳から構成されています。納骨堂を契約したときだけ支払うものと、使用している機関はずっと払わなければならない費用があります。
永代供養費
永代供養費とは、永代にわたってご遺骨を供養してもらうために、寺院や霊園などに支払うものです。納骨堂に安置したご遺骨は、基本的には一定期間を過ぎると合祀されます。合祀されたあとも永代にわたって供養してもらえるように、契約時に一時金として永代供養費を支払います。
管理費
管理費とは、納骨堂を維持・管理するためのお金です。基本的には1年単位で寺院や霊園に支払います。個別安置期間中はずっと支払い続ける費用で、支払いが滞ると納骨堂を使用できなくなるので気を付けましょう。個別安置期間は納骨堂によってまちまちですが、13周忌や33周忌で区切ることが多くなっています。
法要料
法要料とは、法要の際にお坊さんに渡すお布施のことです。法要料を支払うタイミングとしては、主に納骨式や開眼供養の2つがあります。納骨堂を使用し始める際に、納骨式と開眼供養を同時に行うことも多いため、法要料として一緒に支払うことが多いでしょう。
戒名料
戒名料とは、仏門に入る人が名前を授かるために支払うお金です。仏教ではご逝去後、無事にあの世にいけるようにお坊さんから戒名をもらう習わしがあります。一般的には葬儀の際に、読経をしてもらったお坊さんに戒名をつけてもらうものです。戒名にはランクがあって、レベルが高い名前ほど支払う戒名料も高くなります。
彫刻料
彫刻料とは、故人の戒名を彫ってもらうための費用です。納骨堂を使用する際は、位牌に戒名を彫るのが一般的です。墓石に彫るよりも簡単なので、費用もそこまで高くありません。納骨式の前までに彫刻は済ませておきましょう。
納骨堂にかかる費用を抑えるポイント
従来のお墓よりも費用を抑えられるイメージがある納骨堂ですが、さまざまな費用がかかるため、すべてを合計したあとに想像以上の金額に驚く方も多いでしょう。納骨堂にかかる費用を抑えるポイントをご紹介します。
公営の納骨堂を検討する
公営の納骨堂とは、地方自治体が運営している納骨堂のことです。寺院や霊園が管理している納骨堂よりも割安であることが多いため、住んでいる地域に公営の納骨堂がある場合には検討してみましょう。一方、公営の納骨堂は、該当する地域の在住者でなければ申し込めません。このため、公営の納骨堂がない地域の方は、費用を抑えるためにほかの方法を検討する必要があります。
区画にこだわりを持たない
納骨堂は区画によって、使用料が変わってきます。骨壺がたくさん入る大きな区画のところは高く、ご遺骨をほかの方のものと一緒に収蔵している区画は安くなります。このため、特別なこだわりがなければ安い区画を選ぶとよいでしょう。しかし、家族の人数が多い場合には、一人用の区画よりも家族単位で入る区画のほうが結果的に費用を抑えられることもあるので、しっかり検討することをおすすめします。
地方の納骨堂も検討する
都心は土地が高いので、その分納骨堂の使用料も高くなります。また、狭いスペースを有効活用するため、自動搬送システムを導入している納骨堂が増えています。自動搬送型は便利ですが、高度な技術を使っているため管理費が高くなりがちです。このため、場所にこだわりがなければ、地方の納骨堂を検討すると、都心よりも費用を抑えられるでしょう。