喪主の服装について
更新日: 2023/10/13
葬儀で着用する喪服にはいくつか種類があり、着用にあたりマナーがあります。
喪主の場合は、喪服の中で最も格式の高い「正喪服」を着用することが通例です。男女別にどのような身だしなみが適しているのか、正しい知識を知っておきましょう。
喪主が男性の場合
喪主は多くの方々と接することが多いため、喪服の定義から外れた装いはマナーに反するので要注意。
地域や宗教によってしきたり等がありますが、基本的にお通夜では正喪服を着用する必要はなく、ブラックスーツなどの準喪服を着用します。
男性の喪服
男性が喪主の場合は、和装であれば黒紋付き羽織袴、洋装はブラックのモーニングコートという正喪服を着用します。
基本的には、洋装、和装のどちらでも構いません。
しかし、近年は葬儀形式も多様化し、葬儀の形式や規模によっては喪主であっても準喪服(上下ブラックのスーツスタイル)を着用するケースが増えてきています。
男性の髪型
清潔感のあるヘアスタイルであることが望ましいです。目にかかる前髪や長髪の方は、顔周りがスッキリとするように整髪料などを使ってスタイリングしておきます。
その際に、光沢感のあるジェルや香料の強いものは厳禁。香りのないものを程よく付ける程度にします。
男性の靴やバッグ
靴の色はブラックで、エナメルや金具などの光沢のある靴はNG。凝ったデザインのものは避け、動物の皮などを使っていないものにします。靴下も喪服と同じように、ブラックカラーのものを着用します。
また、バックを持つ場合は、柄がなくブラックで光沢のないシンプルなものを選びます。素材は革や合皮製品でも問題ありません。
喪主が女性の場合
女性が喪主の場合は、一昔前までは和装が一般的でしたが、近年は動きやすさや喪主の負担を軽減するために、洋装を選ぶ人が多いようです。
男性同様に、急な準備となるお通夜では正喪服を着用せずに準喪服となるブラックのワンピースやスーツなどを着用します。
女性の喪服
和装の場合は、一般的に羽二重に染抜きの日向紋を五つ付けた黒無地の着物が定番。足袋は白で、帯揚げや小物、草履は黒でまとめます。
一方、洋装は、ブラックカラーの光沢のない生地を使用したワンピースやフォーマルスーツを着用します。スーツを着用する場合は、パンツスタイツではなく、ひざ下くらいの丈になるスカートを選ぶようにします。
夏場であっても肌を露出しないことが前提となるため、ストッキングは柄のないブラックのものを着用するようにします。
女性の髪型、メイク
ロングやセミロングの方は、焼香時などに髪が邪魔にならないようにヘアアレンジをしておくと安心です。ヘアアクセサリは黒いシンプルなものを使用するか、黒いヘアゴムで耳より下の位置でまとめるようにします。
葬儀の際のメイクは、アイシャドーやチークなどは控えたナチュラルメイクが基本。口元だけは、ナチュラルな色味の口紅であれば使用することが可能です。
靴、バッグ、アクセサリー
洋装時の靴は、ミュールやサンダルは禁止。3㎝程度のヒールが付いた光沢や装飾のない黒いパンプスを選びましょう。
バックは、革や合皮製品でもマナー違反ではありませんが、布製で小ぶりのハンドバックが一般的。手荷物が多い場合は、黒地の光沢のないサブバックを持ちます。
アクセサリーは、結婚指輪と一連の真珠のネックレスのみ。イヤリングやピヤスは身に付けません。
喪主が子供の場合
学生である子どもが喪主の場合は、学校の制服で構いません。大学生などは、大人と同様の準喪服であるブラックカラーのスーツやワンピースを着用します。
小学生以下の場合は、カジュアル過ぎない服装にします。男の子は柄のない襟付きの白いシャツに黒のズボン、女の子も飾りや柄のない白いブラウスに黒のスカートや、黒のワンピースなどを着用するといいでしょう。
喪主が持っておくべきもの
喪主という立場上、どうしても多くの人から注目されてしまうため、身だしなみや持ち物などにも気を配らなければなりません。
遺族の代表として、失礼のない振舞いが行えるように、喪主として持っておくものを把握しておきましょう。
数珠
仏式の葬儀に欠かせない数珠は、喪主として持っておくべきアイテム。基本的に数珠の貸し借りはタブーとされているので、自分のものを用意するようにしましょう。
数珠には宗派ごとに略式・本式があり、男女によって違いがあります。新たに購入する場合は、どの宗派でも使用することができる共用の略式数珠を買っておくといいでしょう。
ハンカチ
葬儀の場に持ち込むハンカチにも注意が必要です。男女ともに共通で、色は白か黒の無地のものを用意します。
ハンカチの素材について決まりはありませんが、カジュアルなイメージがあるタオル地や光沢のあるサテンは避け、綿素材のハンカチが理想です。
昔から日本の神事や弔事は白装束で行われているため、よりフォーマルな印象があるのは白のハンカチになります。
袱紗
袱紗にはさまざまな色や種類がありますが、葬儀では寒色系のものを選びます。
喪主の場合は、開閉がしやすく使い勝手が良い略式タイプの金封袱紗ではなく、正式な風呂敷袱紗か持ち運びに便利な台付袱紗が良いでしょう。
色味は紺か紫色を選んでおくと無難です。紫は慶事でも使用することが可能な色なので、これから準備する際は紫を選ぶと両方に使用することができます。
メモやペン
喪主は葬儀の当日も葬儀社との打合せや僧侶との顔合わせなど、色々と立ち回るため、筆記用具は常に身に付けておくと便利です。
スマートフォンを使って記録することもできますが、年配者が多い葬儀の場で喪主が表立って携帯を操作する姿はあまり好ましくありません。
そのため、身内や参列者とのやり取りをメモしたり、確認事項をチェックするためにメモ帳とペンがあると安心です。
喪服のレンタル
喪服はレンタルすることが可能です。突然の葬儀で準備が大変という場合は、喪服レンタルを活用するのがおすすめ。葬儀社がレンタルを行っていたり、インターネットでも自分のサイズの喪服を簡単に手配することができます。
レンタルした喪服で葬儀に参列することは問題ありません。むしろ、サイズが合っていない喪服を着用したり、しわやシミなどが目立つものなどを身に付ける方がマナーに反する服装となるので、注意しましょう。