喪主の焼香マナー
更新日: 2023/10/13
焼香には、手順やマナーがありますが、普段は行なわないため戸惑う人もいるでしょう。喪主は、1番最初に焼香を行なうため、前の人の動作を参考に焼香を済ませることはできません。
ここでは、焼香の種類や喪主として焼香の注意点についてご紹介します。

立礼焼香の場合
立礼焼香(りつれいしょうこう)とは、祭壇の手前にある焼香台のところまで歩いて行き、立ったまま焼香を行なう方法のこと。立ち上がり僧侶と会葬者に一礼して祭壇まで移動。遺影に一礼と合掌をしたら、左手で数珠を持ちながら、右手の三本指で抹香(まっこう)をつかみ、おでこの前まで右手を上げます。
その後、香炉の上に右手を動かし、灰の中に抹香を落とします。そして、遺影に一礼してから、1歩後ろに下がり僧侶と会葬者に一礼という流れです。
座礼焼香の場合
座礼焼香(ざれいしょうこう)とは、和室で葬儀を行なうときの方法で、正座をして焼香をします。祭壇の手前にある焼香台まで移動して焼香しますが、作法や焼香の流れは立礼焼香と同じです。
しかし、座礼焼香では、「膝行(しっこう)」と呼ばれる、膝を床につけたまま中腰で焼香台まで進む特徴があります。席に戻る時も、同じく膝を床につけたまま後ろ向きで下がる、「膝退(しったい)」の動作で行います。
回し焼香の場合
回し焼香とは、座ったまま香炉を順番に回して行なう方法のこと。最近は減ってきていますが、会場が狭いときや寺で葬儀を行なうときに用いられます。作法や焼香の流れは変わりませんが、受け取った香炉を膝の上に置いてから焼香を始めます。
焼香が済んだら床に香炉を置いて、滑らせるように隣の人に渡すのがポイントです。香炉には、火のついた灰が入っているため、火傷には注意しましょう。
喪主が焼香をする際の注意点
会葬者として焼香をする機会は比較的ありますが、喪主として焼香をしたことがある人は少ないかもしれません。喪主としての焼香は、会葬者としての焼香とはいくつか違う点があります。ここでは、喪主としての焼香の注意点についてまとめました。
喪主は遺族には一礼しない
会葬者は、遺族に一礼をしますが、喪主は遺族に一礼をしません。そのため、喪主は焼香の前後に、僧侶や会葬者・遺影に向かって行なう一礼のみを実施。焼香後に僧侶・会葬者に一礼するときは、一歩下がってから行ないます。
また、遺族も喪主と同様に、他の遺族に向けて一礼は行いません。しかし、親族は遺族に向けて一礼が必要なので、忘れないようにしましょう。
会葬者に礼をされたときの目礼
喪主は、会葬者に礼をされたときに、目を合わせてから軽く会釈をする目礼を行ないます。目礼は、通夜や葬儀の受付などで会葬者から目礼をされたり、個別に声をかけていただいたときの返答のひとつとして実施。目礼は、会釈と違い、軽く頭を下げる程度であるのが特徴です。
状況によっては、葬儀に参列していただいたお礼が伝わるように、「お忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。」と言葉を添えると良いでしょう。
一般会葬者が焼香する際の立礼
立礼とは、焼香台の横に喪主や遺族が立ち、一般会葬者の焼香時に遺族に一礼する際に返答すること。立礼は、喪主だけではなく、遺族全員で行なうのが一般的です。
会葬者の人数が多いときは、立っている時間が長くなります。持病がある人など長時間立っているのが難しいときは、座ったまま目礼をする座礼を選んでも問題ありません。