ご遺体の搬送車について

身近な方がお亡くなりになったときに、最初に手配をしなければならないのがご遺体の搬送車です。病院や介護施設、警察などから安置先までご遺体を搬送する車両は、一般的な霊柩車とは異なります。そこで、遺体搬送車の手配の流れや種類をご紹介します。

遺体搬送車とは

遺体搬送車とは、故人が亡くなった場所から安置先までご遺体を搬送するための車両です。「寝台車」と呼ばれることも多いでしょう。遺体搬送車は一般車両を改造して、ストレッチャーに乗せたままご遺体を運べるようになっています。実は、ご遺体の搬送は貨物自動車運送事業法に基づき、国土交通省に認可された事業者のみが行えます。このため、遺体搬送車は8から始まる緑色のナンバープレートを付けています。

寝台車と霊柩車との違い

ご遺体を搬送する車両としては、霊柩車もあります。寝台車と霊柩車の違いを解説します。

  • 寝台車は「亡くなった場所~安置所~斎場」にご遺体を搬送する
  • 霊柩車は「斎場~火葬場」にご遺体を搬送する
  • 寝台車の外観はバンタイプの車両が一般的だが、霊柩車は豪華な宮型やバス型などさまざまな形がある
  • 寝台車はストレッチャー、霊柩車は棺を運べるように設計されている
  • 寝台車も霊柩車も緑色のナンバーの取得が必要

ご遺体搬送車の車種

寝台車はストレッチャーを運べる空間が必要なので、それなりの大きさのバンタイプの車両が多い傾向にあります。主な車種は次の通りで、葬儀社によって所有車は様々です。機能面は相違ありませんが、搬送車の同乗者が何名まで可能か変わるため、余裕があれば確認しましょう。

  • ホンダ オデッセイ
  • トヨタ アルファード
  • トヨタ エスティマ
  • トヨタ ノア
  • トヨタ ヴォクシー

料金の変動点

ご遺体搬送車の料金は葬儀社によって異なりますが、10km以内の搬送で約13,000~20,000円になっています。搬送の距離が長ければ、距離に応じて金額が高くなる料金体系です。一般的には10kmごとに、金額が上がっていきます

また、22時~翌朝5時までは深夜・早朝の割増料金が発生するため、基本の料金よりも高くなります。そのほか、有料道路や高速道路を使った場合には、実費の支払いが必要です。

遺体搬送車利用の流れ

ご逝去からご遺体の搬送までの流れは次の通りです。ここでは、病院でご逝去されたケースで解説していきます。

  • 臨終を迎え、死亡診断書を発行してもらう
  • エンゼルケア後、病院内の霊安室にご遺体が移動される
  • 安置先や葬儀社を検討し、ご遺体の搬送を依頼する
  • ご遺体搬送車を手配し、安置先に搬送してもらう

病院の霊安室は何時間も利用することが難しいため、早めに安置先や葬儀社を検討しなければなりません。お通夜や葬儀を執り行う葬儀社は別の業者に依頼しても構わないので、ご遺体搬送車を迅速に手配しましょう。