老後資金は夫婦でいくら必要になる?
更新日: 2023/10/26
老後資金は夫婦二人でどれくらい必要なのでしょうか。この記事では、老後資金の目安と内訳を詳しく解説します。また、老後資金を効率的に貯める方法も紹介します。老後資金に関するお悩みを解決するために、ぜひ参考にしてください。
老後資金の目安は夫婦二人で2000万円以上
老後資金とは、年金以外に自分たちで用意する必要があるお金のことです。老後資金が不足すると、生活水準を下げたり、借金をしたりするリスクが高まります。
そうならないためには、老後資金を事前に計算して、計画的に貯めておくことが大切です。
では、夫婦二人で必要な老後資金はどれくらいなのでしょうか。一般的に言われている目安は2000万円以上です。
これは金融庁の「市場ワーキング・グループ」が公表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書をもとに算出されたものです。
この報告書によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の毎月の不足額の平均は約5万5,000円となっています。
この不足分が老後30年間必要となる場合
5万5,000×12カ月×30年=1980万円
このように高齢夫婦無職世帯が30年間、「平均的」な生活を送るためには、約2,000万円を貯蓄から取り崩す必要があると考えることができます。
上記の金額には住宅の改修費や車の買い替え、子どもの結婚費用やお祝い、医療や介護費用などの支出は含まれていません。
そのため、すべて合計して計算をすると不足額はさらに高額となります。
夫婦の働き方によって老後資金は変わる
老後資金の目安は2000万円以上と言いましたが、これは高齢夫婦無職世帯の平均的なケースを想定したものです。
しかし、実際には夫婦それぞれの働き方や年金額によって、必要な老後資金は大きく変わってきます。
ここでは、共働き、専業主婦、フリーランスなどの代表的な働き方別に、必要な老後資金を見ていきましょう。
共働き夫婦
共働き夫婦は、専業主婦夫婦に比べて収入が多く、年金額も高くなる可能性があります。
そのため、必要な老後資金は少なくて済むと思われがちですが、実はそうとも言えません。共働き夫婦は、以下のような点に注意する必要があります
- 生活水準が高く老後も同じ水準を維持したいと考えると、必要な老後資金も増えます。
- 夫婦の年齢差が大きい場合、先に年金を受給する方が亡くなったときに、残された方の収入が減ります。
共働き夫婦の場合、必要な老後資金は約1500万円から2000万円程度と考えられます。
ただし、これはあくまでも目安であり、個々の状況によって異なります。
専業主婦
専業主婦の場合、必要な老後資金は共働き夫婦よりも多くなる可能性があります。その理由は以下の通りです。
- 専業主婦は、自分の収入がなく、夫の年金に頼ることになります。
- 専業主婦は、家事や育児に専念してきたため、社会保険料を払っていない場合が多いです。そのため、国民年金の受給額も低くなります。また、国民年金は、40年間納付しないと満額を受け取ることができません。
専業主婦の場合、必要な老後資金は約2500万円から3000万円程度と考えられます。
ただし、これもあくまでも目安であり、個々の状況によって異なります。
フリーランス
フリーランスの場合、必要な老後資金は共働き夫婦や専業主婦とは異なる点があります。その理由は以下の通りです。
- フリーランスは、自分の収入や仕事量によって年金額が変わります。フリーランスは会社員がもらえる厚生年金はもらえず、国民年金のみです。そのため、フリーランスが受け取れる年金は会社員より約100万円少ないとされています。
参照元:厚生労働省年金局|令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
フリーランスの場合、必要な老後資金は約2000万円から2500万円程度と考えられます。ただし、これもあくまでも目安であり、個々の状況によって異なります。
老後資金を効率的に貯めるコツ
老後資金を効率的に貯める方法は人それぞれですが、一般的には以下のような方法が挙げられます。
早めに計画を立てる
老後資金の必要額や目標額を把握するためには、現在の収入や支出、将来の年金受給額や健康状態などを考慮する必要があります。早めに計画を立てることで、必要な貯蓄額や投資額を見積もりやすくなります。
つみたてNISAを利用する
積み立てNISAとは、お金を貯めるために株や投資信託などに投資した際に、利益が出たとしても税金を払わなくて済む制度です。毎年40万円までこの制度を使えます。
ただし、使えるのは20年間だけで、2024年からは新しい制度に変わります。
iDeCoを利用する
iDeCoとは、老後の生活費を補うために自分でお金を貯める制度です。毎月一定の金額を自分で決めた商品に投資します。
この制度も税金を払わなくて済みます。ただし、60歳までお金を引き出せません。個人事業主・自営業の方は月額68,000円が上限、会社員などは23,000円/月(企業型DCに加入していない会社員)が上限になります。
これらの制度を夫婦で利用することで、老後資金を効率的にためることができます。
ただし、利用する際には各制度の条件や注意点をよく理解しておく必要があります。詳しくは各制度の公式サイトをご覧ください。
まとめ
老後資金は、夫婦で協力して計画することが大切です。早い段階でどのくらいの資産があるのか把握しておくことをおすすめします。貯金をするには、無駄な出費や固定費を見直すなど、本当に必要な出費なのかを考えてみましょう。