デジタル終活とは

「デジタル終活」とは、スマートフォンやパソコン、クラウドに保存されたデジタルデータを、生前のうちに整理しておくことです。
デジタル終活は大きな費用も特別な準備も必要ないため、取り掛かりやすいはず。
今のうちから「デジタル終活」、始めていきましょう。

デジタル終活

デジタル終活のメリット

①プライバシーの保護につながる

スマートフォンやパソコンには、写真や文章などさまざまなデータがたくさん詰まっています。なかには、ほかの人に見られたくないデータや、友達が写った写真など他人の情報が絡むデータを保存している場合も。
ご自身だけでなく、周りの方たちのプライバシーを守るためにもきちんと整理しておきましょう。

②金銭トラブルを避けられる

ネット銀行を使用していて家族が知らない口座がある場合、口座番号やパスワードを知らされていないためにアクセスできず、財産相続ができないなどの相続問題が発生することも考えられます。
また、音楽や映画などのサブスクリプションの解約も依頼しておきましょう。

③個人情報の流出を防止できる

個人情報がそのままネット上に放置されると、不正利用されるリスクが高まります。
ネットショッピングなどで登録したクレジットカード情報や住所などは、事前に削除しておくなど、きちんと対策しておきましょう。

デジタル終活の流れ 3ステップ

①デジタル遺品のリストアップを行う

リストアップを行う際は、機器やサービスごとにデータを書き出していきましょう。
デジタル遺品には以下のようなものが挙げられます。

ア)スマートフォン、タブレット、パソコンのデータ

  • 画像、動画、メール、住所録、アプリ内の記録
  • 仕事の資料、個人の日記
  • 連絡先やメールアドレスなどの住所録

イ)インターネット上のデータ
  • SNS、ブログ、会員制のウェブサービスのアカウント情報
  • クラウドストレージ(iCloud Drive、Googleドライブ、OneDrive、Dropboxなど)に保存されたデータとアカウント情報
  • ウェブメール(Gmail、Yahoo!メールなど)のアカウント情報とやりとりの記録

ウ)お金にかかわるデータ
  • 銀行、証券会社、暗号資産(仮想通貨)などのオンライン口座へのログイン情報
  • ネットでの有料会員サイト(動画、音楽、雑誌の定額サービスなど)のアカウント情報
  • ②「残すもの」と「処分するもの」に分ける

    「家族にのこす重要な情報」や「他人に見られたくないファイル」など、優先度の高いデータから順番に整理していくと整理しやすいかも。
    「残すもの」のうち、誰にも見られたくないものはパスワードなどでロックをかけた状態にしておくと良いでしょう。

    ③「残すもの」をエンディングノートに記す

    デジタル遺品の仕分けが終わったら、残すと決めたデジタル遺品の詳細を、エンディングノートに記載しておきましょう。
    ネットバンクの口座情報やネット証券など、お金に関わるものをはじめとする優先度の高いものから記入すると、万が一最後までデジタル終活をやり遂げられなかったときにも安心かと思います。

    デジタル終活の注意点

    ①一定期間ごとに内容を更新する

    パソコンやスマートフォンなどを使っていると、デジタルデータは日々増えていきます。
    パスワードを変えたり、新しいアプリをダウンロードしたりしたときなどは、忘れずに更新しましょう。

    ②エンディングノートには分かりやすく記載する

    特に、ネットに詳しくない家族がいる場合には、ログインの方法や手順などを分かりやすく記すようにしましょう。
    また、数字の「1」とアルファベットの「I」や、数字の「0」とアルファベットの「O」などの判別しづらい文字にはルビを振っておくなど、だれが読んでもわかるように書いておきましょう。

    最後に

    今や誰しもがスマートフォンやパソコンを利用している時代。デジタル終活は大がかりな準備がいらないため、気軽に取り掛かれるはず。
    後回しにせず、今始めましょう。