よくわかる終活の基礎知識

あなたは、自分の人生の最期について考えたことがありますか?自分の死に対する希望や不安、自分の財産や家族のこと、自分の遺したいものや伝えたいことなど、人生の終わりに関するさまざまなテーマについて、事前に準備や整理をすることを「終活」と呼びます。

終活

終活とは?

終活とは、人生の終わりに備えて、自分の意思や価値観を振り返り、準備をすることです。
終活の目的は、自分の人生を後悔なく締めくくることと、残された家族や友人に迷惑をかけないように準備をすることです。
終活には、財産の整理や葬儀のプランニング、遺言書の作成など、さまざまな項目があります。

終活を始めるタイミングは、一概に決められるものではありませんが、一般的には60歳代から始める人が多いようです。終活は早めに始めるほど、自分の意思を反映させやすくなります。また、終活をすることで、次のようなメリットがあります。

  • 自分の人生について振り返り、感謝や反省をすることができる
  • 家族や友人とのコミュニケーションが深まり、絆が深まる
  • 精神的な安心感や充実感を得ることができる

終活でやるべきこと5つ

終活でやるべきことは、財産の整理・葬儀・お墓・遺言書・エンディングノートの作成の5つがあげられます。それぞれの項目について具体的な進め方や注意点を解説します。

財産の整理

自分が持っている財産や借金を把握し、相続人に分ける方法を決めましょう。
また相続税の節税対策や遺留分の確保なども考えておくと良いでしょう。
相続税が発生する可能性がある方や、相続税の金額などを確認したいときは、税理士に相談しましょう。終活をしていくなかで、相続トラブルが起きそうだと感じたら、相弁護士に相談すると良いでしょう。

葬儀

葬儀の形式や規模、場所、業者などを事前に選ぶことで、自分の意思を反映させることができます。葬儀社が開催する終活フェアなどに参加し、相性の合う葬儀社さんを探しておくと良いでしょう。

お墓

お墓がない方は、お墓の種類や場所、管理方法など、どんな選択肢があるのか知るところから始めましょう。昨今では永代供養墓や樹木葬などの新しい形もあります。
また、墓じまいや改葬などの問題が出た場合は、菩提寺や霊園に相談するようにしましょう。

遺言書

遺言書は、財産や家族に関する意思を書き残すことができます。
遺言書は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。相続で家族が揉めないように、遺言書を作成したいときは、司法書士に相談すると良いでしょう。

エンディングノート

自分の人生に関する思い出や感謝、後悔などを書き残すのがエンディングノートです。
自分の人生を振り返るだけでなく、家族や友人に伝えたいメッセージやアドバイスなども書くことができます。
エンディングノートは、市販のノートやオリジナルのノートを使って作成することができます。また終活フェアに参加するとエンディングノートがもらえることもあるので、興味がある方はチェックしてみてください。

おひとり様の終活について

万が一の時に、遠い親戚やお世話になった知人に頼る可能性がある方にとっても終活は重要です。ここでは、おひとり様の終活について詳しく解説していきます。

おひとり様の終活とは

独身や配偶者が亡くなったり離婚したりして、一人で生きていく人が行う終活のことです。おひとり様の終活は、家族や友人に頼れない場合などに必要になります。

おひとり様の終活で気を付けるべきこと

おひとり様の終活で注意するべきことは、孤立や孤独にならないようにすることです。
自分で決めることが多いですが、必要な時に相談できる人や支えてくれる人を見つけることが大切です。

終活の相談をしたいときは?

終活を始めるときは、市町村役場で相談するのがおすすめです。自治体によっては、専門家を呼んでの無料相談会を定期的に行っていることもあります。
また、葬儀社や寺院・霊園、ショッピングモールなどでは終活のイベントやセミナーが行われることも多く、終活を始めようと思っている方が参加しやすいのでおすすめです。

終活に役立つ資格とは?

終活には、遺言や相続、葬儀や墓地、介護や医療など、さまざまなテーマがあります。終活に関する知識やスキルを持ち、他人の終活をサポートすることができる資格が、終活アドバイザーと終活ガイドです。

終活アドバイザー

終活アドバイザーとは、終活に関する法律や制度、心理学などの専門知識を持ち、個人や家族のニーズに応じて最適な終活プランを提案したり、実行のサポートをしたりする人です。終活アドバイザーになるには、ユーキャンの通信講座「終活アドバイザー講座」を受講し、検定試験に合格する必要があります。

終活ガイド

終活ガイドとは、終活に関する基礎知識を持ち、地域の終活事情やサービスに詳しく、個人やグループの終活ワークショップを開催したり、相談に乗ったりする人です。
終活ガイドになるには、一般社団法人終活協議会が主催する「終活ガイド資格」を受講し、webテストに合格する必要があります。

年代別に見る終活のポイント

終活は、年齢に関係なく始めることができますが、年代によって重視すべきことや目標が異なります。ここでは、年代別に見る終活のポイントを紹介します。

20代・30代

この年代の終活のポイントは、自分の価値観や生き方を見つけることです。自分の人生に何を求めているのか、どんな人と関わりたいのか、どんな仕事や趣味に情熱を持っているのかなど、自分自身を深く知ることが大切です。また、自分の死に対する考え方や希望も明確にしておくことがおすすめです。

40代・50代

この年代の終活のポイントは、自分の健康や家族の幸せを守ることです。この年代では、仕事や家庭で多くの責任やストレスを抱えている人も多いでしょう。そのため、自分の体調や精神状態に気を配り、健康管理やリフレッシュを心がけることが重要です。
また、家族とのコミュニケーションや信頼関係も大切にしましょう。

60代以上

この年代の終活のポイントは、自分の人生を振り返り、感謝や後悔を整理することです。
この年代では、自分の人生におけるさまざまな出来事や経験、思い出や感情などを振り返り、自分自身と向き合うことが大切です。
また、自分に関わってくれた人たちに感謝の気持ちを伝えたり、自分が後悔していることを解消したりすることもおすすめです。

まとめ

終活は一人で悩んだり苦しんだりするものではありません。専門家や仲間、家族などに相談しながら、自分らしい終活を進めてください。